2023.11.21 10:29問題解決能力。繊維製造は常にトラブルがあると思っておいた方が無難だ。過去に何度も書いているが、数値管理で理論を実物にしている化学の世界、ポリエステル繊維メーカーでさえ『繊維は数値規格化が困難な産業である』と言い切っている。これはおそらく、今のところ、生き物には寿命があると同じくらい間違いない事実だと思われる。僕がこの業界に入隊した当初、諸先輩方から教えをもらうとき常に「鉄や紙じゃないから」と言われた。それはある...
2023.11.10 07:55断言の脅威。こと繊維製品に関しては、それなりに長い時間触れ合ってきた。気がつけば仕事にもなっているので、まがいなりにも対価を頂戴している以上は、結果に対して責任が伴うものである。大昔は若気の至りもあり、繊維の性能や組織の構造上考え得る使用者メリットを断言的に売り文句にしていた頃もあったとかなかったとか。公的機関による試験結果で証明されているものがあればそれは全く問題のないことである一方で、こと機能効果に関して...
2023.11.02 06:38ひきだし。繊維製品製造は、企画者の『こうしたい!』が起点にあると、ひきだしの多さと組み合わせによる結果の導き方が理解できていれば、あとはパズルゲームで、それなりに楽しいものである。求められている答えが明確な場合は、上記のアプローチで物は作れる。手持ちのひきだしの数や組み合わせによる結果の経験値が足りていない場合は、出口がわかっていてもたどり着けない迷路にハマることもある。一方で、ひきだしや組み合わせのパター...
2023.10.26 11:43プライベートパーティのご案内。はい、ということでXでもポストさせていただいた通り、会社のブログを使ってプライベートパーティのご案内を出させてもらおうという図々しい回になります。
2023.10.25 06:25合同展示会の壁。どなたか存じ上げないのだが、テキスタイルメーカー様がXでポストされていた内容が目に入って合同展示会における課題みたいなところに触れておられたので、僕の個人的な感覚ではあるが、ここで壁と感じている部分を書き出してみたいと思う。これは全て僕の体感なのでもちろん異論は認める。コロナ禍を経て、来場者数が相対的に多く感じるというのもあるだろうが、なんせ各出展者のブースに入りにくくなった印象がある。伺うタイミ...
2023.10.20 07:36矛盾。物事は視点を変えれば善も悪となり悪も善となる。ことお金に関わる話は、ともすれば生活者を苦しめる一方で生活者が労働する場面で得をしたり、逆に労働面で苦しんで生活者面で得をするなどある。この手の話を政治的な側面から批判する声もあれば、経営層に対して『搾取だ』という声もあったり、とりあえずめっちゃデリケートゾーンなのでそこら辺まで踏み込んで書くのはやめておく。世界的インフレ圧力が高まりをみせたここ1-2...
2023.09.29 11:53領域。仕事の線引きは難しい。どこまで深入りして対応していくかなど、非常に悩ましいところがある。繊維製造の場合、製造側が負担する作業の領域は非常に曖昧になっている。だからこそ中間業者が増えているのだろう。良くも悪くも、便利屋に近い人たちが多い状態であることは否定しない。末端の依頼主からすると、業者の見え方は領域にかかわらず同じに見えている可能性が高い。すると単純に工場に少し毛が生えたくらいの製造業に対して...
2023.09.21 08:15繊維今昔。先週は一年振りの関西方面出張で、見事にコロナ感染してきたようで今週は高熱にうなされながら気付けば木曜日。果たして明日はビールを飲めるコンディションなのか。ちゃんと仕事の用件もありの出張だったが、1/3くらいは実はちょっと個人的な部分も大きく。最終日の和歌山はほぼ丸一日、ゆっくりと、前職の工場内で懐かしい面々と共に時間を過ごした。
2023.09.05 09:55事故は起こる。昨年SADOBASE設立後、建物を所有するという会社として初めての経験だったため、保険に加入した。更新の時期がきて保険屋さんとお話をしていて、割と、いや強烈に衝撃を受けたことがあったので今回はその話。
2023.08.23 09:38指図。事情が重なり佐渡と千駄ヶ谷を行き来しているうちにこんがりと日焼けして異国感がたっぷりになってしまった。挿絵ほどには焼けた。でも今回のブログは挿絵のような偉そうに指図するみたいな話ではない。繊維製造業界に入隊してからずっと違和感があったものの、前職の書式然り、受託加工系の工場様全般、依頼書の名目が『指図書』だった。違和感を改めて感じたきっかけは僕にとって業界の先生でもある泉州にある生地プリント工場の...
2023.08.08 10:37目線。目線の置き所は重要だと感じている。どんなに優れた技術でも、残念ながら使用する場面がないものには、いくらコストがかかっていても作り手にとってお客様からの価値評価は納得いくもになりにくい。先日、昔衣料品店頭販売職からこの繊維製造側に入隊した勇敢な戦士と雑談をしていた時に「山本さん、〇〇染色工場さんの〇〇って加工どう思いますか?」と問われた。あまり詳細を書くと角が立つので、ざっくりいうと、生地の染色加工...