2023.03.09 12:03殿様商売。こういうことは、よくある。何を隠そう、僕自身も大昔はそうだった。トラブルが起こった時、製造側に立つスタンスが強かった僕は、お客様の方の取扱の問題だという認識が強かった。もちろん、実際そういう場合も多い。生地屋目線だと、トラブルになったと言われていることは「そんな扱い方したら、そらそうなりますわ」ということが多い。ところが、扱う側が生地に対して全方位的にそういったトラブル回避の知識を持ち合わせている...
2023.03.06 07:59原価。ずいぶん前に、宇宙行くとか行かないとかで有名な人が服の原価の話してた時はまだ、燃え盛る繊維業界愛で怒りに震えた時期もあった。どういう流れかわかんないけど、先週はちょっと原価に絡む話をちらほら見かけて、まぁそういうのって議論したいところになるよねって思いながら、たまたま異業種の方々と食事する機会があって、そこで服作ってるって言ったら「服って人が作ってるんですか?」っておっしゃる方もいらっしゃって、全...
2023.03.02 07:57表現。生産のお手伝いの中で、商品説明を求められるようになって久しい。生地の特徴なんかを書くことが多いのだが、低学歴の僕にとって簡潔に商品の良さを引き出す語彙を持ち合わせていないので非常に難易度が高い。『なぜそうなのか』と言う部分が大変理屈っぽくなりがちなので、だいたい長い。でもそこを理解してもらえないと他と何が違うのかが明確にならなかったり、熱意がこう、なんつーか、足りない感じがしてしまう。少々めんどく...
2023.02.20 08:26相思相愛の条件。まだ僅かに存在しているが、ブランドが製造背景の予算を気にして発注をくれるような時代はもう、ほぼ終わった。というか、若輩者の僕が知る限りはそんな時代はなかった。繊維における日本製のモノづくり神話は、おそらく一部の、それも幻想的なものだったと、僕自身は思う。日本のモノづくりが悪いという話ではない。それぞれの持ち場において、それぞれの技術の高みは、僕のような繊維戦士にとってはよだれがでるほど素晴らしいも...
2023.02.08 10:42実需と理想。『安物買いの銭失い』ということわざがある。最近娘が教えてくれた。娘はことわざが好きでたくさんことわざを知っている。この程度のことわざ知らないのかとバカにされそうだが、知らなくても生きてこれてしまったのだから世の中を舐めてかかってしまう性格はそうそう簡単には治らなそうである。僕自身、家族の洋服購入に関して基本的にはノーコメントであるが、子供服などは成長が早い子供に向けて丁寧に作られた高価な洋服を与え...
2023.02.01 08:47ダメ営業。これは昔から不思議だったんだけど、繊維業界には「なんでお前生き残ってられんの?」みたいな奴らがおる。生地問屋や繊維商社、OEMメーカーなどには特に。会うたびにグループ会社内で移籍して名刺が変わってる人とか、おる。彼らは一見忙しそうではある。バタバタしてる風。そして案件数は一丁前に持ってる風。しかしあくまで、風。そして彼らには、わかりやすい特徴がある。・一人では何もできない世界なのに、自分が全部やっ...
2023.01.26 09:01利己で困る話。中堅から大手どころは営業マンが多い。それぞれに数字のプレッシャーがあり、それぞれにノルマと戦っている。頭数が多ければ多いほど、商品販売出口の問題はつきまとう。例題:『生地問屋大手X(以下X)』は営業マンが多数おり、『エンドユーザーA社様(以下A社)』に対しての『Xの担当は〇さん(以下◯)で、『A社』から『製品OEM受託しているB社(以下B社)』の『Xの担当は△さん(以下△)』だった時、生地の発注元...
2022.12.27 02:58やってみたいの先。会社経営者と呼べるほど立派なもんじゃないけど、会社を初めて7年目の半分が過ぎた。このブログや普段の発信から会社員時代との目線の変化を書いてきたが、佐渡で仕事を始めてから改めて痛感することがある。『ビジネスアイデア』と『ただの思いつき』の違いだ。この二つを明確に線引きする要素の一つとして、それをやることで起こりうる先の未来予想図の有無が、発案者にあるかどうかというところだと個人的に感じている。地方に...
2022.12.13 06:24居場所。今回は繊維を離れて箸休めの雑記をダラダラと長文さーせん。冬が近づくと結構な割合で不幸が増える。今年は僕の身近な方々も多く亡くなられたので、なんとなく過去を振り返る時間が多い。そんな時間の中で得られる発見があれば、また僕を前に進めるエネルギーになってくれる気がする。過去の積み重ねが今の立ち位置なら、たぶん、意味はあるように思う。僕が特定の事柄(例えば音楽とか)を『好き』と主張することをやめたのは、『...
2022.12.12 07:33無いもんは無い。作れば余るし、減らせば足りない。需給バランスというのはいつだって難しいものだ。コロナ禍に見舞われる以前から、在庫商売自体は総じて縮小傾向にあった原材料の世界。僕が繊維戦士になった頃はそれはそれは糸なんかしゃべったもんがちで、規模の経済でコスト圧縮から他所より潤沢にかつ安価で供給できるのが勝ち筋であったのはもういつの頃だったか記憶が薄れるほど遠い昔になってしまったというくらい、自分も歳をとったもので...
2022.12.05 10:21机上の正論と現場の正論。『自分たちは崇高なことをしている!』が、実は独りよがりの正義で、対象になる救われる予定の人たちは、実は迷惑している可能性がある、というのは、前々から書いている通り。