2025.04.18 11:26価値の表現。先日僕の大好きなXで気になる投稿があったので、エアリプで姑息だが少し講釈を垂れた。本当に僕は性格が悪い。カットソー生地の値段に関して、高級というのは単価が高いという理解のもとで話を進める。某投稿は場合によるが厚い生地より薄い生地の方が高級だったりするとのことで、高級という定義がなんなのかがわからんので、一般的には高額だと捉えられるだろう。で、薄い生地を作るには細くて長い繊維を使用するからこれが高級...
2025.04.01 11:21能ある鷹の爪。新社会人として繊維業界へ入隊の皆様、おめでとうございます。素晴らしい繊維の世界へようこそ。期待に胸膨らませこの業界に足を踏み入れた人も多いはず。もちろんそれ自体は素晴らしいことで、その気持ちをどうか折らすことなくこの先も進んでいかれることを心から祈ります。とは言え色々あるんで、あとでも良いけど、とりあえずこちらをどうぞ。
2025.03.27 04:51大風呂敷。素材に限らず、特に何も決まっていないタイミングで提案を求められた時、繊維戦士諸兄はどのような風呂敷を広げるだろうか。自分たちの強みを全面に押し出した内容か、出来ないことはないといった具合のマルチな感じか。先方様のやっていきたい内容が何も決まっていない時、またはご新規様に初めましてでご提案差し上げる時、提案内容を準備するのはとても悩ましい。先日とある材料屋さんが、飛び込みで提案に来たいとのことでお会...
2025.03.13 07:18都合。繊維製造はイレギュラーが多い。多いというか、イレギュラーしかない。先日知り合いのシステムエンジニアさんに「〇〇って問題があってさぁ、とんで行ったわ」など話していたら、それは仕組みで改善できないものなのか?と問われ、システム化したら莫大な富を得られるかもねなんて笑いながら酒を飲んだ。実際、先週は本当にアクロバティックな動きをした。問屋様生地を購入し短納期対応の商品の出荷前に生地飛び込みが多数あるとい...
2025.02.19 10:12アンフェア。一体どれくらい理不尽な扱いを受け続けたらここまでミスに対する恐れを抱くようになるのだろう。繊維製品の取り扱いは、関わるその末端まで不確定要素のオンパレードなので、そこで起こる人為的ミスなどは、よっぽど悪意のある意図的なものでない限り想定の範囲内である。先日、最近ご紹介でお仕事をさせていただくことになった副資材屋さんが、資材の色を間違えてしまった。よくあることである。別に何ら驚くことではない。一着に...
2025.02.07 05:40算数。繊維産業≒ファッションの感覚でアパレル業界へお越しになる予定の学生様及び転職をご検討の皆様こんにちは。ファッションセンスだけでは戦えない世界へようこそ。僕自身が通ってきた道なので、体感としてファッション専門学校へ通っている方々の多くは算数が苦手な印象がある。産業である以上は物とお金のやり取りがある世界なので、コスト計算と利益計算は実務上切っても切り離せない。そう、算数が必要になる場面が多いのだ。
2025.01.28 11:05サプライチェーン。このブログをお読みの方の多くは、日本国内の繊維業界におけるサプライチェーン構造をよくご理解されていると思うが、今回はそこをあえて掘り下げてみようと思う。なぜなら5年ぶりにお電話くださったお客様から過去定番だった素材の生産依頼があり、編み工場様の廃業をお伝えするとかなりお困りの様子だったからだ。個人的には、廃業されることでサプライチェーンが機能しなくなるという不安を煽るのはあまり好きではないが、買い...
2025.01.15 06:53職出しの不安。糸でも生地でも服でもなんでも、作ってもらうには各工場様への依頼が必要だ。今回は個人で生地を選んで買って自分で切って縫って商いをされている方々ではなく、ある程度まとまった数を外注している方に向けて書くので依頼が必要だという前提で話を進める。生産管理は依頼の仕方でほぼ決まるのではないかという持論がある。僕自身が工場現場上がりだから、工場現場の人たちの気持ちは痛いほどよくわかっているつもりである。どんな...
2025.01.07 11:35習慣と環境。新年あけましておめでとうございます。本年も駄文にお付き合いください。年賀状をやめますって葉書が来たりするくらい、会社同士でさえ年賀状の送り合いが減った。個人法人あわせて今年1通も出してない。こうやって文化が入れ替わっていくのだろう。僕も年末年始の挨拶というやつが苦手で、仕事上で会う人たちとは一週間の内に「今年はお世話になりました」→「今年もよろしくお願いします」を繰り返すことになんとも言えない気恥...
2024.12.30 10:43時間。時の流れは早い。歳を重ねるほどにそのスピードは加速していく。千駄ヶ谷に繊維戦士として入隊して20年が過ぎた。生まれ故郷である佐渡ヶ島で過ごした時間より、千駄ヶ谷で繊維戦士として戦っている方が長くなった。昨今の業界事情から、繊維を離れる人々が多くなっている。今年は自分の身近でも多くの人、会社が繊維から離れていった。その中には当然、大変お世話になった人たちがいる。今も決して自力だけでやっているとは思っ...
2024.12.17 11:43プロ素人。久々に業界燃やしがあったので少し興奮してしまった週末。聡明な繊維戦士の諸兄もおそらく少しお怒りのことと思われ、改めて一般市場と業界内の谷を感じたのではないだろうか。件の買い替えを促すために粗悪品云々に関しては、はからずもそうなってしまったものも含めて、出し手に悪意はない前提で、世の中には買える値段を設定するためにそれなりに引き算の組み立てもあるということは、何も繊維業界に限った話ではないだろうから...
2024.12.11 09:34明るい未来の話をしようか。僕がこの業界に入ってから、本当のじいちゃんかのように慕い、本当の孫のように可愛がってくれた方が廃業を決められた。昨年までは遠くの出来事のように聞こえていた繊維やめる系の話が、今年はこんなに近くまで来た。実際、身の回りで直接関係のある人が繊維を離れる話は今年非常に多い。廃業に関しては実は年明けくらいから話を聞いていた。ただその時はあと5年くらいかなって言ってたから、僕は僕でなくならないように引き継ぎ...