2018.08.30 09:33丸編み生地製造の勉強-染色加工編-本当なら糸を作るところから順を追ってやりたかったんだけど、今回染工場さんにお邪魔する機会があったので染色工程の回にしようと思う。染色加工の流れは大まかにビーカー試験→生地準備→染色→脱水→開反→セット→検反→梱包→出荷それでは各項目を見ていきたい。・ビーカー別注する生地を決めたら生機(染める前の生地)を作る。その後、染工場に指定色で染めてもらうことになる。いきなり生地を依頼色に染めることはできない...
2018.08.28 11:15在庫リスクは誰が負うべきなのか。先程ツイッタで考えさせられる話が出た。川下のクライアントさんからリクエストがあった際にその商品を作ったら買ってくれるのか?という川中川上辺りのやりとりである。このやりとりはアパレルと生地屋さんや資材屋さん、そして生地屋さんと糸屋さんの間でよく起こる。原料(糸および生地や資材)は作ってから見てみないとそれが欲しいものなのかどうかわからないからである。生地は糸が有ればサンプルは作れるからそれほど腰が重...
2018.08.24 10:37丸編み生地製造の勉強-スムース編-皆さんはスムースという編み地をご存知だろうか。編み組織的にはインターロックというが俗称スムースの方が工場にも伝わりやすい。スムースはゴム編みの変形でダブル編みである。名前からも想像できるように、表面が滑らかだからスムースという生地名になったらしい。(本当のところはわからないがこれが有力)百貨店レディースアパレルの透けにくいちょっとデザインTとかによく使われている。ゲージと糸番手が同じなら天竺と比べ...
2018.08.10 12:31産地のおごりと危機感和歌山は莫大小(メリヤス)の産地である。紀三井寺駅周辺に莫大小ロードがあり丸編み工場が密集している。僕の前職だった本社工場もそこにある。「産地」という響きだけで、良質なクオリティを提供してくれそうな気がする。和歌山なら良いカットソーの生地がある、そんな気がする。確かに生地を企画して色々なチャレンジをしながら技術を研鑽しクオリティを上げている工場もあるが、ただ編むだけという意識の低い工場もある。とい...
2018.08.09 08:21ファクトリー ブランドの明暗僕は前職で丸編み生地の製造販売だけでなく、自社生地を使った服のOEMも受けていた。自社生地を提案しながらOEMをしている内に「形も提案してよ」と言う要望がでてきた。ODMである。何型か外注デザイナーさんに依頼してODM提案をした。結果としては製品オーダーに繋がらなかったが、生地の発注は取れていたので会社としては一歩を踏み出した気がした。ある程度デザインまで込みで生地を売るという形は前職の従来のやり...
2018.08.08 11:16丸編み生地製造の勉強-鹿の子編-このシリーズで初めてリクエストをいただいた。鹿の子を知りたいとの事なので鹿の子について書こうと思う。鹿の子も表鹿の子と裏鹿の子などあるが、今回は一般的な鹿の子、表鹿の子について。
2018.08.05 11:40丸編み生地製造という職業にたどり着くまで-番外編-カットソー生地を作って売るという仕事は、地味だ。超地味で、数字ばっかり追いかけがちになる。「なんでも良いから売れたらええんやで」って空気がすごい。従事者の評価も、「なんぼ売ったか?」の方が評価される。内容は関係ない。何処其処の生地のパクリだろうが何だろうが、数売って数字上げたやつが偉いことになってる。僕は業績がズバ抜けていたわけではないから、業界内で特段注目されているということもない。ただ、見た目...
2018.08.03 06:00丸編み生地製造の勉強-天竺編-ツイッタで告知した通り、生地の製造に関して技術的なシリーズを始めてみようと思う。狙いとしては、デザイナー諸兄がイメージとする生地感を工業的にアプローチするために、どのような指示が必要とされるのかというところ。果たして需要があるのかどうか、とりあえずやってみることにする。まずはカットソー生地の基本、「天竺-てんじく-」から。平編みとも言われ、一般的なTシャツの生地はほとんどこれである。