工場が将来を語る時の視点
どうもまだ解釈を誤っている方々が多い。
例えばこの記事を読んで、「やっぱりお客さんに語れる物を作らなあかんな!」という視点になって奮起した工場の人は多いだろう。
地方を回って工場訪問や資料収集している時、または地方工場から弊社に来てくださる工場関係者に「どんな物が売れるんですかね?」という質問をされることは非常に多い。
この質問は、川中同士の間では仕方のない事なのかもしれないが、僕なりにお伝えしている。
モノづくりをされている方々は常々「語れる物作り」を提唱されている。
彼らの言う「語れる物」とは、「エジプトのGIZA45という綿は最近は非常に希少で、最新の技術で極細番手に仕上げ、且つ原料の特性を活かす為に甘撚りにして日本で数台しかないハイゲージの編機で編み、加工技術も特殊な溶剤を使用して革新的な風合いを…」といった具合だ。
まぁそういうチャレンジも大事なんだけど。
語れる物って、顧客さん側が語れる物という意味であるべきなのだ。
顧客さんのライフスタイルの中でその服がどういう場面で顧客さんを輝かせることができるか、どういう体験を彩ることができるのか、その為にどういう技術を使って服を作るべきなのかということ。
作り手ができる事を盛り込んだものが「語れる」という意味ではない。
「お客さんに語れる」ではなくて「お客さんが語れる」モノづくりをしていってもらいたいし、そういうお手伝いができるように僕も尽力していきたいと思う。
0コメント