2019.11.29 09:00生地蘊蓄の濃度と信頼性。人が服を買う時に素材の蘊蓄にどれくらい興味を持っているかは、僕くらいテキスタイルジャンキーになるとなかなか分からない視点だったりするので、時折初心に立ち返り、洋服屋さんへ行っては店員さんの接客を受けてみたりするのだが、(その情報で良いのか?)と不安になることはしばしばある。例えば絵のように、「パッカブルという素材」とは、もはや言葉としておかしい。パッカブル素材はPACK ABLE素材なので、素材が...
2019.11.28 09:27色の知識は大事だよ。僕がこんなリアクションをとることはないが(たぶん)、依頼者が選択した生地を使って商品を作るとき、上がってきたら身頃と襟を同じような色で指示したはずだったのに全然違う!ってことはよくある。特に白や黒は、その色としての絶対的地位があまりにも強すぎて、「白(黒)って言ったらこれだろ!」という、それぞれの主観のまま、色見本を提示されずに言葉だけでの染色依頼が最も多い色だ。ところが、白や黒(どの色にも言える...
2019.11.25 11:19電話営業の限界。閑散期、それは工業にとってとても恐ろしい時期である。シーズンの入れ替えが済んだ頃に訪れるその悪魔の時期に、過去の遺産だけであぐらをかいていた工業経営者は残高と受注状況を見比べ、初めてその危機感を覚える。危機感でケツを叩かれた経営者、「そうだ、営業かけよう!」と重い腰を上げ、数年ぶりに電話帳を開く。あの時優しかったあの取引先なら、、、その淡い期待に胸を膨らませ電話をかける。ところが電話口の取引先(数...
2019.11.22 10:18工業の明暗。今週は国際フォーラムでPTJがあったためか、多数の地方工業の方々が来京されており、弊社にもたくさんの方が遊びに来てくれた。僕もPTJは火曜日に少しだけ顔を出した。経験上初日の午前中はあまり混んでいなかったイメージだったんだけど、今回は非常に来場者が多く感じられた。実際に出展していた仕入先の人たちに話を聞いたら「結構たくさんのお客さんが来てくれて、お取引を始めたい会社の方も多かった」とのことで、明る...
2019.11.15 06:17通信インフラと工業の現場。工場と連絡を取り合う際の、通信インフラを改善することで生産性を上げていったり、トラブルを防ぐといった仕組みを開発している人たちがいるのは、随分前から色々お話を伺わせていただいているので知っている。僕自身、これらの取り組みや開発は非常に興味があるし、浸透したらとても良いと思う。人は便利だと思うものを取り入れることで発展してきたはずだから、これらのインターネットを介したアイデアは生産現場を本当に変えて...
2019.11.07 11:501/1,000枚でも、誰かにとってはかけがえのない一枚。製品OEM業やるようになって、それなりにたくさんのお客さんを相手させていただき、厳しくも暖かいご指導のおかげで、完全ではないが、納品時にお客さんに満足してもらえるような取引が多くなった。完璧な状態って、毎回そうだったらいいんだけど、なかなか難しくて、僕らの取り扱っているカットソーってやつは、同じ生地で同じ形を違うタイミングで作っても、同じように出来上がらなかったりするから厄介だ。とは言え、依頼者か...
2019.11.05 10:20生地名のあれこれ。生地の名前は、その糸や編み方など、名前から作り方が想像できるものが多い。例えば『30/1天竺』なら、30番単糸を使った平編みのソレというのがつながる。60/1綿モダールHGシルケットポンチだったら、綿とモダールを混紡した60番単糸で、両面編みのポンチという組織をハイゲージ(おそらく32ゲージ以上)で編み、後加工でシルケットをしているのだとわかる。ここまで生地の名前でネタバレしてしまうのは、オリジナ...
2019.11.01 11:56言葉の魔法。昔後輩から「山本さんがメンドクセーって言うと全体の雰囲気が悪くなるからやめてください!」って注意されたことがある。僕は、まぁ製造業なら僕に限らんと思うけど、「メンドクセー」って言うの癖になってる人は多い。本当にそう思ってるかどうかはその時々による(面倒だと思ってないこともある)んだろうけど、それが実音になって人の耳に入った時、快いものかどうかと言われれば、良いわけない。人それぞれ、色々な事情がある...