工業の明暗。

今週は国際フォーラムでPTJがあったためか、多数の地方工業の方々が来京されており、弊社にもたくさんの方が遊びに来てくれた。

僕もPTJは火曜日に少しだけ顔を出した。経験上初日の午前中はあまり混んでいなかったイメージだったんだけど、今回は非常に来場者が多く感じられた。実際に出展していた仕入先の人たちに話を聞いたら「結構たくさんのお客さんが来てくれて、お取引を始めたい会社の方も多かった」とのことで、明るい話題があって何よりだと思った。


東京に来て合同展示会をやると、やはり普段とは違う雰囲気になるので、展示会自体の感触が良かった時は往々にして打ち上げで呑み散らかす場合があり、燃え上がったやる気をそのまま酒場に置き忘れてくることもしばしば見受けられるので、是非とも持ち帰っていただいて、せっかくの来場者たちにきちっとフォローアプローチをかけて欲しいと心から願っている。


展示会とは別で、弊社に遊びに来てくれた方々と久しぶりにゆっくり川上トークを繰り広げていると、バブル世代中核の残党から経営を渡された人たちが悪戦苦闘している様子がみて取れた。

特に工業設備的に母体が大きいところは、相手先が大きいロットを出すのが基本の商売スタイルになっているので、いきなり小回りがきく体勢になれず、しかし相手もどんどんと先細りしていく中、切り替えるタイミングを見失って稼働率が目も当てられない状況のところもある様子。

それを尻目に、中小規模の工場さんで経営者が早めにバトンタッチしていた会社は、若い世代(4-50代)が英断を下し、販路を切り替えてうまく行っているケースもみられる。そして、稼働率を下げても小回り利かせてきめ細やかな対応ができているところは、数量ばかりを追っている工場に比べて、逆に稼働率が上がっているという状況もあり、世の中とは皮肉なものだなと思い耽っている。


稼働率を下げて小回りを利かせようと切り替えた場合、経営を考えれば当然ほとんどが高単価になるのだが、ロットを要求されて無駄に原材料をつかまされるよりは、値が張っても小ロットを受けてくれる方を選ぶお客さんをきちんと捕まえている工場は、高単価のまま稼働率が上がれば当然と収益も改善するので、心理的に余裕が出てくる。

そしてそういう工場さんは、「やったことないけど新しいことにチャレンジしてみたい」という意欲も出てくる。これは非常に良いことだ。だが、意欲そのまま、実際に何を始めたらいいかわからないという工場も少なくない。このタイミングで安易に「ファクトリーブランド」とか言い出したらちょっとやばいかなって思いながらも、周りにそういうので失敗した例もみているせいか、新しいプランを慎重に検討している様子も見受けられ、これまた良い傾向だなと感心した。


あとはきちんとやりたいことを見つけて、それを補助金とかに頼らずに、自分たちでしっかりやり通していく姿勢ができたら、そのタイミングで「手伝って」と声をかけてもらえるなら、非常にありがたく、僕は全力でお手伝いしたいと思ったのであった。

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