2018.07.31 11:33サプライチェーンにみる落とし穴と可能性中国の工場に呼ばれてまず驚いたのはその規模感である。なにしろデカイし広い。軽く街。生地部門から縫製部門への移動は同敷地内なのに車移動。まぁ歩けるとは思うけどお客さんってことでそういう待遇を受けたのかもしれない。今の日本の製造業を簡潔にまとめるとこんな感じ↓
2018.07.25 12:02ロットと在庫とわたし先日のアレ、ガイアのやつ、色々な感情がわきあがり、どの感情かわからないけどなんか目から汗が流れ出た。属性は異なるが、製造生産していく上で生産ロットとロス、在庫など避けては通れない関門がある。僕はカットソー生地のメーカーなので「カットソーは」という接頭語付きで以降の文を読んでもらえると助かる。アパレルメーカーさんが商品企画して、生地を決める際に生地商社さんが色在庫を抱えてるいわゆる「有り生地」を使う...
2018.07.23 10:20丸編み生地製造という職業にたどり着くまで-9-生産は和歌山が中心だった僕が、お客さんの意向で先染めのボーダーやジャカードなどを依頼されるようになると、和歌山だけでは作れないので他産地に依頼をする必要が出てきた。和歌山では無地機(その名の通り無地を編むのに適している)は多いが、ボーダーや柄編みなどに向いている機械はそんなに多くはない。無地機でもボーダーを組むことは出来るが、編み機のフィーダー数が限られていて色数やボーダーピッチの制限が多い。それ...
2018.07.19 12:03感情という数値化できない物で動く生き物製造業において、理論的に説明できない部分があるとしたら人としての感情という要素がある。スポットの商売しか持たないプレイヤーに対して、年間バルクが見えている相手と同じ対応を求めるのは無理なのである。僕は一定の背景を持っている工場に対して、ある種やや極端に集中して仕事を入れている。仕入れをして物販をしていく以上、安定供給は大切なことである。仕入先をちょこちょこ変えてはこちらの都合だけで付き合うという事...
2018.07.16 23:39丸編み生地製造という職業にたどり着くまで-8-大口の発注を取るために「お客さんの喜び」という視点がブレかけていた20代中盤。会社の売上と工場の稼働率、それにお客さんの要望に応える事が正義だと信じてたけど、メンタル的に追い込まれながらフィジカルを酷使することが続いて、自分は何のためにこの仕事をしているのか?という疑問が日に日に強くなっていった。お客さんが喜んでるのは、タイトな納期を押し込んできても無理を聞いて動いて、単価も他社との指値に対して少...
2018.07.12 23:58丸編み生地製造という職業にたどり着くまで-7-僕は他社の架空発注による不良在庫を売り捌くという謎の命題を抱え、冬物商戦の季中デリバリーを狙い炎天下の日本橋繊維問屋街の中、台車に反物を積んで駆け回っていた。
2018.07.12 01:01丸編み生地製造という職業にたどり着くまで-6-人間というのは自己保存しようとする生き物である。by森岡毅さん技術的知識を蓄えながら川下のニーズをなんとか100%に近いカタチで商品化するために日々奔走していても、止むを得ず大きなトラブルに見舞われ、金銭的ペナルティを受けなければならない事がある。全ては善意の上に成り立っている信用を土台に、誰もが良いものを作ろうと製造に取り掛かっているものだと信じて疑わなかった。しかし、少なからず悪意が存在する場...
2018.07.10 23:50丸編み生地製造という職業にたどり着くまで-5-駆け出し営業マンとしては見た目も派手(バンドマンだったので)で体験に裏付けされた知識と老舗の看板を武器に生意気盛りを続けていた僕を、ガラス製丸灰皿で制止してくれた某生地問屋の社長さんとの商売が膨らみそれなりに実績を上げだしていた3年目のころ、僕はまた調子に乗ってしまう。これはもう、病気なのかもしれない。工業側の体制は入社時期に比べて幾分は小ロット生産に理解を示し、グダグダと文句を言いながらも仕事は...
2018.07.10 00:01丸編み生地製造という職業にたどり着くまで-4-掲題、少し間が空いてしまったが続きを。アルバイトから研修期間を終え、丸編み生地作りの工程一式を体験し、生地のことはもう完璧とばかりに勇んで営業に出た。諸先輩や上司のフォローをやっている時は、お客さんの生地に対する知識が優っていると潜在意識の中で思っていた僕は事あるごとに怯えていたのに、営業に出る頃には怯えなどなくなり自信に満ち溢れていた。実際、担当のお客さんと商談していても、生地に対する質問のレベ...
2018.07.07 06:0720年後いらない存在(中間業編)工場とアパレルメーカーを繋ぐ仕事、商社や生地問屋、縫製メーカー振り屋など、昔から糸偏の世界には中間業者がたくさんいる。最近はエバーレーンやファクトリエなどが中間業の存在を無くすことで無駄なマージンをカットし原価率を高め、高クオリティを低価格で提供するという事で商品を作っている。アパレルメーカーが工場と直接仕事をしていく上で、いくつか問題がある。工場が有しているサンプルは、正直ダサいものが多い。努力...