ロットと在庫とわたし

先日のアレ、ガイアのやつ、色々な感情がわきあがり、どの感情かわからないけどなんか目から汗が流れ出た。

属性は異なるが、製造生産していく上で生産ロットとロス、在庫など避けては通れない関門がある。
僕はカットソー生地のメーカーなので「カットソーは」という接頭語付きで以降の文を読んでもらえると助かる。

アパレルメーカーさんが商品企画して、生地を決める際に生地商社さんが色在庫を抱えてるいわゆる「有り生地」を使う場合、必要数だけ生地を発注したら生地を余らすことなく服に変えていくことが出来る。

しかし、生地商社さんは各色のバランスを生産コストを一律にしてストックしておく必要があるため一色辺りの経済ロットで生産して在庫を持つことになる。

染色の経済ロットは染色工場によって様々だが、概ね6反/色というのがある程度の規模の工場が提示している経済ロットである。
なのでこれ以下の数量に関しては加工賃にチャージアップなどの経費が加算されるので基本的にはこの経済ロットに応じて加工していることが多い。

一つの生地品番あたり、染色ロットが満たせても、色数が少なければ編みの経済ロットをクリアすることができない可能性がある。
無地編みの場合、生機(染色前の生地)の経済ロットは生地組織によるが基本的には「糸ひと立て分」が提示されるケースが多い。
「糸ひと立て分」とは、編み機のフィーダーと呼ばれる糸を送り込む糸口の数に合わせて糸を買うロットのことを意味するので生地によるのだが、わかりやすくするために例として今回は一般的な量産型の30インチ28ゲージという編機を利用した天竺という生地を編む場合で話を進めていく。

30インチ28ゲージ天竺の機械のフィーダーは高速機なら国内はほとんどが90口である。
つまり「糸ひと立て分」は糸90本分ということになる。
糸は分割といって小割して使うこともできるが、このひと立て分という意味の中に分割してという言葉は付かない。
糸は綿糸の場合1本1.875kgが中心で、糸ひと立て分は90口x1.875kg=168.75kg(30/1天竺40m巻き1反がだいたい11kgくらいなので15反とちょっと)が編みの経済ロットという認識になる。

ところが、綿糸は90本という綺麗な数字で買うことができない。
1ケースという単位で買い取る必要があり、1ケースは12本入りの22.5kgが糸を買う際の最小ロットになる。
90本揃えなければならないので90口÷12本=7.5ケース。そして糸は半端ケースで買えないため切り上げ8ケースという量の糸を買うことになる。
8ケース×22.5kg/ケース÷11kg/反=16反と余り糸4kgが編みの経済ロットになる。

これと、先程の染色ロットの最小公倍数がいわゆる経済ロットということになる。

色数はストック生地を販売していく上で2色展開などではあまりにも寂しいので、4-6色が少なくとも用意されている。

そして一色6反以上×色数でアソートを組んで編みの経済ロットと染色ロットの最小公倍数を探していくのである。
例として単純に全部の色が6反の加工をするとした場合、染め6反と編み16反の最小公倍数は48反編んで8色染めるのが答えになる。

アパレルメーカーさんに別注の生地提案をして一色6反染めて編みで48反という注文をもらうのは簡単ではない。
なのでニッター編工場は生地問屋めがけて営業をかけたほうが工場稼働をまもりやすい。

しかしこうした経済ロットをクリアして積み込まれた在庫をキレイに売り捌くのは非常に難しい。必ず売れ残りの在庫が出る。
こうしたものがバッタ屋などに破格で流通していくことになる。生地の世界でもこのようなことはザラである。

僕は完全別注を中心に受注しているからこの辺とは無縁かと言われればそうでもない。


その内容はまた次回に。

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