2023.03.02 07:57表現。生産のお手伝いの中で、商品説明を求められるようになって久しい。生地の特徴なんかを書くことが多いのだが、低学歴の僕にとって簡潔に商品の良さを引き出す語彙を持ち合わせていないので非常に難易度が高い。『なぜそうなのか』と言う部分が大変理屈っぽくなりがちなので、だいたい長い。でもそこを理解してもらえないと他と何が違うのかが明確にならなかったり、熱意がこう、なんつーか、足りない感じがしてしまう。少々めんどく...
2022.12.12 07:33無いもんは無い。作れば余るし、減らせば足りない。需給バランスというのはいつだって難しいものだ。コロナ禍に見舞われる以前から、在庫商売自体は総じて縮小傾向にあった原材料の世界。僕が繊維戦士になった頃はそれはそれは糸なんかしゃべったもんがちで、規模の経済でコスト圧縮から他所より潤沢にかつ安価で供給できるのが勝ち筋であったのはもういつの頃だったか記憶が薄れるほど遠い昔になってしまったというくらい、自分も歳をとったもので...
2022.03.22 10:23相場。繊維製造は諸々の相場の影響を受けやすい。まぁどの産業でもそうか。国内綿糸相場は今、とんでも高騰を見せている。綿花相場は過去に2011年の謎スパイク(投機マネーゲーム)の急暴騰からの急下落を経験する。じわじわと押し上げ、下げる見込みがなく100セント近くなると慌てて買いに走ってその値段を押し上げ、結果的に200セントをつける大相場となった。その後直滑降で平時水準より若干高いところで落ち着いた。200...
2022.03.16 03:16編み組織の定義。丸編み生地製造の仕事をしてそれなりの年数が経った。積み重ねるくらいしか取り柄のない僕でも、積み重なったものが少しずつ誰かの役に立っているという現実があるということは、喜ばしく思う日々である。その積み重ねを頼っていただく例として、「丸編み生地を教えて欲しい」というものがある。これは従事者にとって、お客様と現場の橋渡しに非常に重要な知識であるからして、向学心がある方々は大歓迎であり、業界の製造精度向上...
2022.03.04 06:57〇〇だから良いのか。生地提案の際、特徴を聞かれることが多くなって久しい。もうかれこれ10年くらい前から、生地提案とウンチクの説明はセットだ。大手問屋様の生地スワッチにも、提案色と一緒にその生地の特徴などが書かれていることが増えた。というより、書かれているものの方が多くなった。生地名も昔は『60/2コンパクトスピン天竺シルケットバイオ』のように、糸種→組織→付加加工名などで記載されていたが、最近は各社独自の名前を生地に...
2021.11.15 10:55常識じゃない。僕がインターネットを活用してこのブログ発信を始めたきっかけを思い出させてくれるような出来事が最近は日々、多く感じている。繊維業界に限らず、実務者は専門用語を話すことで意思疎通が図れる日常から、一歩外へ出てお客様と対峙した時には言葉が通じない現実を意識する必要がある。昔の僕もそういう壁は、工場の皆皆様に対して感じていたものだし、それが例え繊維業界内で『常識』だったとしても、業界入りたて当時の僕からす...
2021.09.15 04:57〇〇のようなもの。先日のブログで、他繊維に形状を模したことで風合い向上や価値向上につながる訴求が手段としてあることにちらっと触れた。特にポリエステルは金型や後加工で変化のバリエーションが多いから、リネンやウール、コットンに似せた『〇〇ライクポリエステル』なるものが結構ある。何を隠そう、僕も今きているスーツは『ウールライクポリエステル』の生地で作られたものである。
2021.08.17 11:11服作りの一蓮托生。服作りで何かトラブルがあった時、その原因を突き止めるというのはとても大事なことである。目に付く要因の多くは生地不良だ。これは異論ある人も多いと思うが、服の外観の多くを占める生地に何かしら問題あると考えられることが多いのは事実だ。しかしこれには、生地作り側にも言い分がある。「だってそういう生地だとわかって選んだ人にも責任があるでしょ?」って気持ち、すごくわかる。生地って、生地として完成(見た目上形と...
2021.02.01 08:20編み物は糸が曲がっている。何を当たり前のことを、と思われるかもしれないが、編み物は糸を曲げて輪っかを潜り合せてつなげていくことで布状態になっていく。これは、横編も経編も丸編も、全部だ。一方で織物は糸を直線で織り合わせて製布していく。この二つの違いがもたらす効果は相当大きい。織物は、経糸と緯糸のどちらか、または両方にストレッチ性がある糸を入れないと、ほとんど伸縮性はない。(糸の膨らみや織りの加減で生まれる伸縮性は除く)糸自体...
2021.01.20 09:11ミラノリブのようなもの。僕は中間業者である側で、ファッション業界を志す方々に向けて、丸編みを教えるというなんとも畏れ多いお役目を預からせていただいている。その一貫で丸編み生地の組織名などをわかりやすくしていくために、日々各生地問屋様の資料と触れ合わせていただいているのだが、今朝は集まってきた資料に目を通していて、「それはちょっとまずいのでは」と思わずにはいられなかったので思わずtweetさせてもらった。
2020.11.24 12:26久々の合同展示会に出てみた。Premium Textile Japanに、ulcloworksとしてではないが、出展した。前職時代に出てたぶりなのでもう本当に久しぶりであった。合同展示会については、色々と思うところがあるが、これはこれで、久々に楽しかったなと思った。今回は素材数や展示方法も含めて、色々と挑戦してみた回だった。今まで出展した経験から、昨今の事情を加味して、自分なりに出したカタチだったわけだが、賛否両論、非常に明...