納期と人。

先日僕は、自分でも信じられないほどの凡ミスをやらかしてしまった。血の気が引くほどレベルの低いミスで少し我を失ったほどだ。こちらの資材投入が漏れて工場さんを止めてしまったのだ。


ミスは誰にでもある。責めても反省を促すだけで今の現実は変わらないし、責められる恐怖心から次の一手に対して臆病になる。逃げていては状況は悪化するばかりだ。現状を変えられるのは行動だけだ。これは昔からそうだし、今後も多分、変わらない。だから逃げても仕方ない。向かい合って、できることをやるしかない。


工業を止めてしまうのは、=その時間でできたであろう他の生産物の水揚げができない。タイムイズマネー。彼らにとってキャパと時間は全て換金可能な資産だ。それをこっちの都合で無かったことにしていいわけがない。つまりその間の補償をしろと言われてもおかしくないのである。

そればかりか、信じて待っていてくれたのに、『漏れ』なんかでキャパをあけてしまったなんて日には、人としてどうなのよと思われても仕方ない。

この状況を、机上のやりとりだけでスマートに済ませようなんてのは、現場の人間の気持ちが一生わからんやつだ。僕には無理だ。

だから、アクロバティックな行程で資材回収から工場投入をして、面と向かって謝罪しに行った。「あけてしまって、本当に申し訳ありませんでした。お手伝いできることがあればなんなりとおっしゃってください。」この一言をお伝えした後に「まぁ、なんとかなりますよ。」と言っていただけた時に、非常に大きな『借り』をつくった。これは早急にお仕事でお返ししなければいけない。別れ際に「何かあれば、また是非、、」と工場さんの方から、(次も仕事やろうぜ)を含んだ挨拶をいただいて、お仕事の継続を許してもらえたことに安堵した。必ずお仕事でお返しすると心に誓ったのであった。

『漏れ』分を取り返すのに縮められた時間は数時間レベルだったかもしれない。その際に無理を言って自分の無茶苦茶な旅程に合わせて資材をパスしてくれた人たちにも、迷惑をかけながらも支えていただいて感謝しかない。


これが4連休をまたいで起こった僕の身の上の出来事だが、その連休明けにこの件と無関係のお客さんとの会話の中で、実稼働日換算で4連休が無かったことになっていて祭日はまだしも、土日どこ行った?工場さんとオタクのカレンダーは違うのか?と笑い話になったけれど、納期のケツは変わらないんだって。

そういえば昔、某大手の生産担当から企画発注が遅れ遅れになっていた吊編みの予定を聞かれて「一日10m編めるんですよね?だったら3日で生地できるじゃないですか!」って言われた時に「御社のために世界が回ってるワケじゃないんで」って言ったら、間に入ってる企画会社の社長にめっちゃ怒られたあの日のことを思い出した。

つくづく、納期は人によると思った話。

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