アルデンテが作りたい。

いや、比喩だ。比喩だし、なんなら、アルデンテっていう銘柄の糸はある。だけどアレじゃない。僕は自分がイメージしている風合いを作るために、方法を糸の処理から考えるのが好きで、その方法を試したいから何度もその方法をオファーしているのだが、代替え案を何度も提示されうまいことはぐらかされているのはめんどいのかなんなのか。まぁいい。とりあえず根気強くやっていきたいと思う。


例えば「こんなイメージの素材を作りたい!」ってなった時、その完成形にむけた製造テクニックを思いつくには、いろんな知識の引き出しが必要になる。そのためのマニュアルがあったら便利かもしれない。でも、ケースバイケース、イレギュラーがレギュラーの世界であるこの繊維業界で、全ての情報を文書化しておいたところで、必要なテクニックにありつける可能性は非常に低い。

市販されている繊維ファッション辞典的な物には、実はほとんどの繊維に関する言葉の意訳はできている。だけど、それを読んでテクニックの組み合わせをイメージして実務に落とし込んで実行している人間が果たして何人いるだろうか。いやいない。しかも辞典は加工方法の名詞単語がまずインデックスにあって、そこにたどり着いて初めて、加工詳細が書いてあるから、逆引きできるかどうか、情報量が多ければ多いほど難易度は上がる。


そして何より、言葉と風合いのイメージが一致しない。または繊維と加工方法の組み合わせが多すぎてイメージできない。

それに、原料の特性と、糸にする時の紡績方法、撚糸、糸加工、打ち込みや度目、染色や二次加工、全て組み合わせで出来上がる風合いを、辞典を見ながら点と点をつなげて線にする作業は、失敗も含めて経験していかないと身につかないという事実がある。または、仕上がっている生地を逆算的にテクニックを紐解いていくか。これはかなり有効かもしれない。だけど生地製造販売元が、作り上げていく工程を全てオープンにしてくれるはずがない。なぜならそこは彼らの企業秘密、価値訴求ポイントだからだ。


今日、改めてテキストを作るということで自分なりに何ができるか考えて、事前に設問もいただいていたのに、結局は精神論を語ってしまったあたり(´・_・`)

なるべくロジカルにしていきたいと常に思っていても、最後は精神論になってしまうのは、僕らくらい専門的な領域に踏み込んできて「学びたい」という人は、たぶん学びながらゴールを探してる気がして、学生のうちはそれで良いかもしれんけど、実弾打ち込みあってる現場で、それはあまり役に立たないのではないかと思っていて。つまり『何がしたいのか』はっきり見えていたら、必要な知識はパズルのピースのようにはっきり見えてくる。だから最終的なイメージが持てないのに、知識だけ付けようとしてもなかなか身につかないのではないかということ。『何がしたいのか』の数だけ、パズルを解く回数が増えて、知識の引き出しが増えていく。使いもしない筋肉鍛えて見た目はよくなっても実戦的じゃなければ、ただマウント取るためのものになってしまう。それがしたいなら特に何もないです。さようなら。

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