キャッシュフローの意識。

仕入れて売って、差額が粗利なのは誰でも想像つく。その粗利が見込めるなら、独立するの余裕じゃんって思う人もいるだろう。この繊維業界でもある程度経験を積んだら独立して自分で商売を始めようとしている人がたくさんいる。というか、昔から結構いる。僕もその一人だ。


僕は割とマジで会社員営業時代に売上と粗利の状況から、独立は楽勝だと思ってた。種銭は少なかったけど、キャッシュフローが合えばすぐに内部留保が貯まると思ってた。でも、完全に甘かった。

仕入れと売りが同月なら、月次締めのお金の出入りで粗利がきちっと手元に残る。固定費がこれを下回っていれば内部留保だ。でも、仕入れって当月だけじゃなく、先々の物も仕掛りで入ってくる。準じてお金も先にどんどん出ていく。あっという間に残高は底をつく。

注文を受けてから作っているから、完全に取り返せるのに、人間お金がなくなると精神的余裕が全くなくなる。僕は初年度まともに眠れなかった。


楽勝と思いつつも、慎重に準備してた。つもりだった。

会社設立初月からきっちり売上を上げた。だけどその次月も、またその次次月も納品予定の注文があったから仕掛品の仕入れはどっさりあった。もう、結構な金額が一瞬でパッと消える恐怖。

なんとか乗り越えて三年経とうとしている。ようやくゆっくり眠れるようにはなったが、満足な内部留保は、まだない笑


会社員時代から、このキャッシュフローの感覚は掴んでおいた方がいい。例えばビッグオーダーを取れそうな時、会社の規模によっては受けたら黒字倒産なんてこともあるから、受注量と納品月、入金月と仕掛り期間はきちんと上司と相談しよう。お金が入ってくるまでに、いくら先にお金が出て行ってしまうのか。ワンオーダーで億単位の仕事になる時、仕掛り期間をやり繰りするキャッシュがあって、億近くの仕入れを起こしても問題がないのか、それに向けて短期の借入が必要なのかを経営者に委ねなければならない。

結構個人商店的な動きの多いこの業界では、売ったら売っただけ個人が偉いと勘違いしがちだが、まぁ売ったら売っただけすごいとは思うけど、それを仕入れて回す金銭的体力が会社にあるかどうかとかまで考えないと、めっちゃ受注してるのに作れずにポシャってなってしまうこともある。


受注が増えれば増えるほど、当然先に出ていく金額も増えるので、どんどんお金が必要になってくる。会社がその面をカバーしてくれている内はいいけど、独立して商売をしようと考えているならこの流れをきちんとシミュレーションしておく事を強く強くオススメする。

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