生地屋さんに求められたこと。
巷の生地問屋さんは、ゴロゴロにいっぱいの見本帳を入れてアパレルメーカー各社へ提案行脚の日々を過ごしている。
そしてそのゴロゴロいっぱいに詰め込まれた生地見本は、はっきり言って生地が小さい。ひどいものだと15cm x 8cmくらいのサイズが二重に折られて貼り付けられている。
昨日ちょっとしたご縁でとある集まりに参加させてもらった際に、若手のデザイナーさんから生地屋さんへ向けて「生地を提案してくれるときは、縫製見本まであると仕立て栄えがわかりやすいので助かる」と要望があった。
その気持ち、わかる。
生地問屋さんの生地見本小さいから仕立て栄え以前に生地の落ち感とか風合いとかわかりにくい。
スワッチはよかったように見えたけど、服にしてみたらモサいとかよくある。
デザイナーさん側からすると、着分(とりあえずサンプル作れる程度の見本生地)買って、サンプル工賃払って、残念なサンプルが上がってしまったらさぞガッカリだろう。
なのでそういう失敗をする前に、提案段階である程度仕立て上りのイメージが掴める程度のサンプルを用意してほしいというのは自然な流れだ。
こういうことを言うと、生地屋界隈からは「それを考えるのがデザイナーの仕事だろ」とか「デザイナーの質が落ちた」とか「それくらいスワッチでわかるだろ」なんて言う人たちが一定数出てくる。そう言いたい気持ちもわかるが、まぁ落ち着いて聞いてほしい。
御社で売れてる営業の人の営業スタイルってどんなやり方しているか。
顧客さんとガッチリやってる感じじゃないかな。顧客さん一軒あたりの売り上げが高い。柱ってやつ。
その柱が何本か立ってて、大きな売り上げになっているはずだ。じゃあどうやったらその顧客さんとガッチリやって柱にすることができているのか。ここを考えてみる必要がある。
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