現場に入ってくれる若者達。

産地工業の後継者問題は深刻だ。

世襲がほとんどで今まで繋いできたタスキは、最盛期を超え業績が縮小していく事業を子孫に託したくない親が多い(もしくは子が継ぎたがらない)。

それでも今は外部から産地の技術を継承させたいと現場に入ってくれる若者達が多くなってきている。

これは過疎地域に移住してくる地域支援隊に似ている。


僕の前職工場も、数年前から若い工員が入り出している。

これは非常に良いことだ。案外こういう現場は多い。

しかし工場員として日々の作業に追われて、職人として育つことは出来ても、継承はまた違う次元が求められる。

これからの5年先くらいまでは、現行の顧客さんや商売でイケるかもしれない。

でも衣料業界の国内生産が縮小傾向にある中で、生存競争を勝ち抜くには「工場の職人」だけが育つだけではどうにもならない。

市場を理解して先手を打てる動きが取れる人間が必要なのだ。


その点、現行の経営者がそこまで考えて現場の職人を若返りさせているのだとしたら、日々の作業に追われてしまっている環境はよろしくない。

若者がどのくらいの意思で就職してきているかにもよるが、作業だけさせられているうちにつまらなくなり離職というケースは多いように感じる。

「入ってもやりたいことをやらせてもらえなかった」など、そういう理由で産地を盛り上げようとしている熱量を持った若者が離職してしまうのはもったいないことだ。

経営者はそういう意見を汲み取ってあげた上で、ある程度の裁量を持たせ経営に関わることも当事者意識を持たせるために一緒に考えて進んでいく姿が今の産地工業には必要だ。

「一人前になるまでは現場作業を一生懸命やれ!」では、いつぞやのホリエモン氏が寿司職人の件で言っていたことと同じ状態になってしまう。

モノづくりをしつつ、売ることも考え、顧客さんフォローまで意識する、バランスを取りながら成長させていく事が出来たら、きっと入ってくれた若者もモチベーションが維持しやすいはずだ。

そしていつかはこの会社を自分が背負うという意識を持ってくれるに違いない。


産地に入ってくれた若者も、経営の現状を理解する必要はある。

モノづくりの技術だけで評価してくれるほど世の中は甘くない。

売れないものは産地を救わない。出口が見える技術の盛り方を意識してほしい。

アーティストじゃないからね、そういうのも作って良いと思うけど、そういうのってあんまり売れないからね。

たぶん経営者も、そういう事が言いたくて「やらなくていい」って言ってる可能性もあるからね。

自分たちがこうした方がいいと思うという意見はどんどんしていくべきだし、主張していってほしい。

でも、そのやりたいことがどういう効果をもたらしてくれるか、そういう未来のイメージもちゃんと経営者と話し合って共有しないと、やらせてもらえない可能性は高い。

ただやってみたいだけを許してくれるほど、みんな余裕があるわけじゃないからね。


入ってくれた若者たち、その経営者双方が将来のイメージを共有して、きちんと歩みよることが後継者問題解決の近道だと僕は思うんだ。




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