丸編み生地製造の勉強-パイル編-

パイルってどんな生地か、言葉で説明するとタオルみたいな生地という感じだろうか。

そういえばこのブログでも以前、世界で3台しか残っていない編機を使用したパイル生地を服にしているブランドを紹介した。

このブランドは両面パイルを編む事ができるSODESなる機械を使用しているからすごいらしい。

両面パイルってすごいのか?世界に3台しかないのは需要がなかったから広まらなかっただけじゃないのか?

と、それはひとまず置いておいて、パイルと言う生地を少し掘り下げてみたいと思う。


正直パイルの生地を売っている実績がその他の生地に比べて圧倒的に少なかったため、僕はそれほど知識を持ち合わせておらず、今日久々に前職の工場長に電話して教えを請うてみた。

僕「職長(工場長)さんこんばんは。お久しぶりです。パイルってどうやって編むのか教えてください。」

職長(工場長)「あれな、天竺と一緒やで。」

僕「!!!」

職長「天竺編むやろ、そんときにもう一本の糸がシンカーに引っかかるようにしてあんねん。簡単に言うとそういうことやで。」

おそらく全く意味不明だと思うが、僕はこれである程度理解できたので下記解説してみようと思う。


天竺とはいわゆるTシャツの生地とかによく使われるアレである。

つまりパイルはシングル組織と言うことになる。

復習でご参照↓

天竺の組織を作る時、糸はこのような状態で編まれていく。

針ループと言うのはニードルループといって編み機の針が編む時に作る編目のこと。

シンカーループとは編針と編針の間にあるシンカー板と言う部分で糸を抑える役目の部分が作る編目である。

パイルはこのシンカー板が突出していて、糸を二本同時に編んだ時、一本だけその突出したシンカー板に引っ掛けてできるループがたわんで出来上がる。

だから生地としては裏面にループが出来上がるのがパイル編みの特徴である。

そしてこのループの先っぽを加工でカットするのがベロアである。

とはいえ頭で理解できても体が覚えてないので、生地をほどいてみた。

パイルループを作っている糸をほどくと、細い糸が見えるがこれは普通に天竺編みになっている「おさえ」と呼ばれる糸だ。先ほどの図解でグレー色で現している部分で編み組織としてはこの「おさえ」が生地として成立している部分になる。つまりパイルのループは「浮き糸」でこのループだけで生地は成立しない。

なるほどパイルとはそう言う生地だ。(どう言う生地だ)

簡単に言うと、天竺を編む時に一緒に添えた糸が裏で浮いてループを作っている生地だ(結局工場長が言ってた言葉を少し詳しくしただけ)


では裏にループができるのがパイルなら、冒頭で紹介した両面パイルはどうなっているのか、ほどいてみた。

なるほど、裏にループを作る時は同じ仕組みでシンカーが浮き糸を作っているのに対して、同じことを表面でも行なっているのだな。つまり天竺の編目の間に両面毛が生えた生地だと思えばいいのか。

それにしてもこれが希少価値があるものだと世間に言うには少し弱い気がするが。。。

世界に3台しかない編機らしい。(二回目)


和歌山でも高野口あたりはパイル生地を生産する機械が多く揃っている。

これなんかは、裏毛みたいな生地だけどパイル編みで、シールメリヤス機と言う特殊な編機で作られている。シールメリヤスがどういう機械かというと、ボアのような毛足の長いベロアの生地を作る事ができる。


一方でパイルの編機ではないのにパイル編みのような物を作れたりする。

これは両面編みの片面を編まないで作る変形パイルだ。組織としてはパイルではないが、出来上がった生地はパイルみたいになっている。どこの編み場でも作れる物ではないので、ある意味独自性がある。


じゃあタオルと何が違うのか?と問われれば、タオルもパイルだ、が、織りで作られているのがタオルに多い。

パイルは一言で言うとカットソー生地、つまり編みで作られているのがパイルということでまとめてもいいんじゃないか。


「編みだから伸び縮みする」というのがこのパイルのタオルと違う良いところだと思うが、最近はタオル地も伸びるやつあるから、パイルの需要って減ってきているよなぁとしみじみ思うのであった。

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