バカの壁はなくならないのか?

最近は生地の勉強記事を作れてなくて楽しみに待っていてくれる人がいらっしゃったら申し訳ない。

そして今日も生地の勉強ではない。すみません。

バカの壁の話。


社員に経営者脳であって欲しいというのは中小企業経営者であればほとんどそうだろう。

しかし社員にとってみれば、そんなことはどうでもよくて給料が良くて仕事は楽な方が良いという人もいるだろう。


そもそも経営者脳とかどうとか以前に、人は「自分の考え方が正しい」という観念が入ると他人の意見に対しては排除しようとする傾向がある。

そうなってしまうと会社という存在や経営状況の事実だけをみて、いろんな方向から議論しあうという崇高な機会を失ってしまう。



例に出して申し訳ないが、大阪本社のとある生地問屋さんは5,6年前からスタッフの流出が止まらない。

理由は色々あるが大きくは経営者と社員の亀裂だ。

そして亀裂が生まれた理由は、双方が先述の「自分の考え方が正しい」というバイアスを解くことができずに生じてしまったと僕は考えている。

第三者でいると案外冷静にみれるものだ。


辞めていった社員さんでも前職で溜めたフラストレーションを己の「正しい」と思う道を突き進むエネルギーに変えて成功している立派な人もたくさんいる。

これは完全にリーダータイプなので、やはり辞める前もその会社で立派な成績を残していたし社内功労もスタッフからの信頼も社外からの信用もあった。

残念なのは、そのリーダータイプに牽引されていただけの社員さんも同じ様に経営者に対して不満を持つ様になり、引き摺られるように会社を離れていった人たちだ。

リーダータイプの人たちは正しい道と信ずる「義」がきちんとあるので数字も信用もついてくる。話す言葉の内容にも筋が通っている。足りていないのは元の経営者をリスペクトして意見をきいて前向きに解決していこうという器量だけだ笑

だから元の経営者に対して強烈な批判はあっても、非難をすることはない。そして辞めといてアレだけど古巣が朽ちていく様を悲しんでいる。


残念なタイプの人たちはこの一番大事な「義」がなく、自己の都合だけで経営者を非難して離職していく。そして次の会社でも同じように経営者に不満を持つようになる。

厄介にもこのタイプの人たちはその経営者の欠点を吊るし上げて、さも自分がまともなこと言っているように周りに話してしまうことである。そしてその会社の信用を落としていってしまう。被害者脳で建設的な議論ができない。

出入りの業者レベルにそんな話をしようもんなら、背びれ尾ひれがついてあっという間に業界に広まってしまう。その情報を真に受けて他言してしまう出入り業者もどうかと思うが、人の口に戸は立てられないのである。そして、この業界はそんなしょうもない話が大好きな人間で溢れている。

そしてこの経営者も残念ながら、この離れていってしまうスタッフに対して因縁をつけて様々な問題を起こしている。「自分はこんな気持ちで考えているのに・・・」と真意を言葉に変えずに頭ごなしに反対意見を押さえつけ、会社の状況から「悟れ」とコミュニケーション放棄しているように僕には思えた。

それぞれの気持ちはわかるが、経営者もこれでは埋まる溝も埋まらん。まさにバカの壁である。

この負のループを続けていき朽ちていってしまうのは容易に想像できる。


この事例から、「バカの壁」はかなりの損害をもたらす可能性がある。

そしてこの事から学んだことは、一つの事実に対して目線が変われば主張が変わると言う事。また、その主張を曲げられない為に破綻していくことがあること。

人は感情があるから反対意見を言われれば嫌な思いをするのはわかる。

「それぞれがそれぞれの立場になって考えてみよう」なんて小学校の道徳みたいな話を大人になったら忘れてしまうのだろうか。

あるのは一つの事実だ。それを両者の主観だけが正義になってしまわないように意見として他者の言葉に耳を傾けてその事実に向かい合うことは非常に大切なんだなと再認識させられた。


会社を離れて行くことが悪いと言っているのではない。経営者もやってみなければわからないことがあるから一概に非難してしまうことは、結局はブーメランになっちゃうよ。古巣の信用も、愚痴っちゃってるあなたの信用も一緒に落ちちゃうよ。何かを始めようと思っても周りはマイナスのイメージをすでに持っちゃってるし、マイナスをゼロに戻すのって結構しんどいよ。

だから勢いで経営者(もしくはスタッフ)の悪口言ったり、会社辞めたり(もしくはスタッフを解職)する前に一呼吸置いて「事実」を見つめ直した方がいいよ。


それにしても例の某社がスタッフと決裂せずにいたとしたら、とても素晴らしい会社になっていたことだろう。

そう思うと今の結果は残念で仕方がないのである。


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