正しいことがしたい。

偉そうな絵の態度とタイトルだが、いつだったかどこかのメディアで独立開業に際し「正しいことがしたい」と述べた記憶がある。

この誤解を招きやすい発言に関しては、僕自身反省する必要がある。

僕の言う『正しいことがしたい』は、あくまで、僕自身が納得できる状態で物事を進めていきたいということでしかない。言葉足らずも甚だしいので、以降気をつけますさーせん。


ここ数年、繊維産業は求められて『サスティナブル』商材を推し進めてきている。これ自体、なんら問題はないと考える。むしろ、無視してないのは素晴らしいのではないだろうか。

そして世界的に設けられたSDGsの概要にもある2030年の期限を目指して、世の中はいっそうこれらの要件に基づいた様々な商材たちが現れるだろう。


この地球と人々に優しくあろうとする目標に、ビジネスチャンスと捉え、突貫で触ろうとして大火傷を負った御仁たちは少なくない。

こういうのは、残念ながら、支持され難い。下心から、綻びが必ず出てしまうから。


あと、怖いのは、思いになんの曇りもない、純粋に世界をいい方向に導こうと決意した人たちのプロダクトが、世の中に全く受け入れられない現象。

また悪意のない善意が、どこかの誰かを傷つける的なやつも、最近のインターネットの怖いところ。

これは、『疲弊する産地かわいそう問題』から、彼らを救わんとする若く強い意志の人たちに向けて、実際に現場を見せた後にも必ず感じる『壁』である。


救うという気持ちに嘘はないと思う。それがビジネス的に成立しないというのも、持続可能性は低いので、ボランティアではまずい。

中間業者という立場上、どちらの視点からも現場を眺めて思うのは、『誰かが完全に悪い』という現状は「ない」という個人的な結論がある。



一方で、SADOBASE事業を走らせ出してからというもの、方々でお話をさせていただいた上で、懐かしい面々から久々にお声が掛かることも珍しくなくなった。

彼らの中には、僕が『SDGsに詳しい』と思ってらっしゃる方もいらして、ご自身が展開されていこうとする商品群の中で『サスティナブル』な商材を模索されていてその企画立案からご相談されるケースが多い。これは光栄なことだが、完全な誤解だ。


「山本くん、サステナ得意なんでしょ?」

「いや、別に・・・」

「なんで?佐渡でやることってまさにそれじゃないの?」

「いや、そういうわけじゃ・・・」


僕としては、別にSADOBASEに対してSDGsを冠にした施設を目指しているわけではない。これは本当に、そういった需要があれば対応できる施設である可能性はあるにせよ、わざわざ「SDGsやってます!」とアピールするものではない。

まぁ、個人的な心理バランスを取るという意味では、僕を持続可能化してくれることは間違いないけれど、誰がそれを喜ぶのか。むしろ資金繰り的には、今完全にキャッシュを圧迫しているので、直近で持続不可能のにおいすら漂うぜ胃が痛い。


じゃなんでやるのか?

単純に、おもしろく、そして、単純に今、生産の都合上外注しにくい案件が手に余っている状況で、お客様に安心して依頼をしていただきたい、実務ではそんなところと、服育、これも結構大事。

「お洋服ビジネス外注OEM楽勝〜♪」と、業界舐めてる気合の入ってない輩を一掃する啓蒙活動的な(少々乱暴か)

まぁもっと楽観的に、「エバラ焼肉のタレ」や「ガトーハラダのラスク」が出来上がっていく工場見るの楽しいし、そこで出来立て半端でも現場直で感じられる面白さみたいなの、あと、ものが出来上がっていく過程を見るのって、僕個人的には本当に好きで、理屈をあとから並べればそれっぽいことも言えるのだろうけれども、もっと単純に、おもしろいから(結局

その先にある、人々の労働の尊さとか、そういうのはもちろんあるけど、それをわざわざ押し付けるものでもない。


労働者の気持ちがわかるようになるっていうのは、大切だけどね。そういうの重いって、そんなん気にしてたら生きていかれんわ、死んだ方がいいじゃん人間なんてって、極論になっちゃうこともあるしさ。


わざわざ環境破壊するようなことを目指すわけではないし、人権無視を助長するでもない、なんというか、それらには表裏、色々な事情があって結果的にそうなっていることがほとんどなわけなので、片一方を裁けないよな僕らは連鎖する生き物だよこの世界にひそm


なんせむずい話なんすよ、サステナ。僕にはわからんのです。


だから得意じゃないっす、むしろ、安易で矛盾が出ちゃうくらいならおよしよ、と言った具合。

スポットでオーガニックコットンやりたいとか、そういうライトなお手伝いならさせていただきますと言った具合。

全面に押し出したいからなんかない?ってのは、そもそもその体質自体が持続不可能かと存じます。


ということで、SADOBASEはどちらかというと、おもしろい要素を詰め込んだ施設にしていくつもりなので、こってり地球環境を救う的な大きなものをなし得るとは胸はって言い切れないっす。わざわざ汚すことはしないよう気をつけていくっす。取り組みとして、そういう評価をいただける場面があれば、そんな素晴らしいことはないと思うけれど、誇張してできもしないことを声高に叫ぶつもりもありません。

そんなSADOBASE、クラファンやってるので、よければみてみてください。最後宣伝ですみません。

楽しい、おもしろい、かっこいい施設目指してます。

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