理不尽を超えてゆけ。

繊維業界へ来られた新社会人諸兄の中には、コロナの影響でいきなりイレギュラーな対応となりまともな導入がなされなかった人も多いと思う。
イレギュラーって困るよね。そもそも基礎がないから直球の補給さえ怪しいところへイレギュラーバウンドするんだから、取れるわけない。

でもこの繊維業界は基本的に「監督!そのボール、取れません!」と主張しても、「そんなもんも取られへんお前の方が悪い!」となる。これはパワハラとかそういう類の言葉が出始めて久しい現代でも根強く残っている『精神論』だ。これを憎いと思ってもう17年目になるが、周りから聞こえてくる限り、未だにこの風潮は強い。

先輩方は数字作るのに忙しそうで、わかんないことを聞けば「そのくらい自分で考えなさい!」と怒り、わからないまま取引先に行けば「仕事でわからないはダメでしょ!」と怒られ、仕入先に質問したら「そんなことも教えてもらえへんのか⁉︎」と会社の体質を疑われる。右も左もわからないまま活路を見出せずに、華々しく見えたファッションの世界とは程遠い繊維の泥にまみれて、気付いたら数字追っかけるのに必死になって「オレ、何してんだろ」ってなって他業種に移るか、辞める勇気もなくてダラダラと理不尽な世界を憎みながら仕事を続けてしまう未来が見える。

ある程度大きい規模の会社に行けば、部署移動などによって解決できる場合がある。ところが繊維業界のほとんどは僕らのような小さな規模の会社が歯車となって回ってる。だからこのブログを読んでくれているあなたも、もしかしたら小さな会社の中でものすごい範囲の運動量を求められているのかもしれない。そして、そんな押し付けに近い精神論を前に理不尽だと感じ周囲に対して苛立ちながら精神を病んでいく人は多い。いわゆる、『飛んだ』というやつだ。

僕も目の前で『飛んだ』先輩を見てるから、その追い詰められ方のヤバさは知ってるし、仕入先のお兄さんたちに何度も「帰りの千駄ヶ谷駅のホームで飛び込もうと思った」という話をされているから、(そこまでしてなんで布なんか作らなきゃいけないんだ)と、この業界の歴史を作ってきた先人に対して憤ったものだ。

それでも親がこの業界の人間であるからか、不思議と辞めるという選択肢はロックスターになった場合を除いては無かった。ある日、相変わらずの取引先の理不尽さにプンプンしていたところ、会社の先輩から金言を頂戴した。

「相手を変えようとしても無駄、変わらない。変えられるのは自分だけだ。」

僕はロックスターを目指してたもんだから、自分のロックで人を変えられると思ってた。もちろん、自分の行動で人が変わる瞬間はある。それは今だからわかるけれど、若い時はわからんもんだ。

相手が変わるのは、自分が変わって行動し続けた結果によって変わってくれるのだ。
相手の変化に期待せず、自分の中で変化を起こし行動して、相手が満足するように動いたらこっちの勝ちだ。そう思うようにしてから随分楽になった。そして行動も変わった。いや、変えた。

今日で一週間が終わる。走りきった後にビールでも煽りながらこの記事を読んで欲しい。そして週明けの月曜日にむけて、自分のマインドを変えていくんだ。目指した未来を実現するために。と、自分に言い聞かせるフライデーナイト。結局、精神論かよっていう話。

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