編み物は毛玉になりやすい。

僕は毛玉が嫌いだ。
しかし、取扱商品のメインでもあるカットソーを構成している編み地というのは、毛玉になりやすい。なぜか?

答えはシンプルなんだけど、編み物用の短繊維の糸は、織物用に比べて、撚りが甘い。
撚りが甘いと、繊維を抑えつける力が少なく、表面に出てきやすくなる。



というか、そもそも、織物と編み物で糸の作り方が違うのか?っていうツッコミが入りそうだが、厳密に言えば違う。織糸係数という言葉がある。織物は縦横にかなりテンションをかけて製布していくから強度がないとすぐ切れてしまう。強い糸とは引っ張っても抜けにくいとか、繊維密度が高いとか、そういう要素が必要になってくる。そう考えれば、撚り回数が多い方が強い糸になる。

逆に、丸編は撚り強いと、糸の巻から、編針に糸が引き込まれる手前のアイロと呼ばれる糸の送りを調整する装置までの間はテンションフリーなので、ぐちゃぐちゃっと撚り固まってしまったりする。(ビリって言う)
ビリが出ると編み針にビリが引っかかって糸を切ったり、針の頭を飛ばしたりしてしまう。

もちろんそれぞれの不具合を解消させた糸の作り方もある。MVSだの、コンパクトスピンだの、だのだの。
だけど、やっぱり編み地が柔らかいと感じる多くの要素は、細い繊維の優しい毛羽が生地の表面に出ていて、その柔毛を撫でた時に感じるソフトネスが、ソレだろう。
したがって、撚りを甘くして、繊維が表面に出ているから、柔らかいのだけれど、その繊維が何かと擦り合わされることで毛玉になりやすいということだ。

つまり、撚りが織物より甘い、編み物用の糸を使っているから、編み物は毛玉になりやすいと。もちろん、生地密度も同じ理由で毛玉の出来やすさに寄与する。密度が高ければ繊維が出にくく、密度が粗ければ繊維は出やすい。

だから毛玉になりやすい服っていうのは、着て確かめなくても、ある程度は風合いで予測が立てられるのだ。

この特性がわかった上で、甘撚りの織物とか、強撚の編み物が、それ相当の製布テクニックを要するということがイメージできると思う。

とりあえず糸買って機械に突っ込めば何でも生地になるってわけじゃないってこと。

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