実はあるところには仕事がちゃんとある話。

普段から地方のテキスタイルメーカーや工場の人と話す機会が多く、産地の生産状況を聞くのだが、ここ数年ほとんどの方が言うのは「今年のこの地域は最悪だ」である。丸編みの産地は色々あるが、どこかに限った話ではない。会う地域のほとんどの人が言ってる。毎年、最悪が更新されているのだと思うと、さぞ景気が悪いんだろうと思うしかないのだが、ふと近所のメーカーを見れば過去最高を叩き出している業者もあるので、一概にみんな悪い訳ではなさそうだ。

そう、仕事をたくさん持ってる人は、実はちゃんといる。

じゃあ、「悪い悪い」と言ってる彼らと、仕事をたくさん持ってる彼らの違いは何だろうか。


まず考えられるとしたら、自社設備背景に固執しないスタイルで受注している企業は、「できないこと」が少ないので、基本的に受注間口が広く顧客さんが他の工場を探す手間を省くことができているので、顧客さんからすると「とりあえずこの工場に言えば何とかなる」という安心感を得ているケース。

結果自社設備での受注も快調で、基本的に取り組みできている顧客さんのバジェットシェア率が高い。一社のそのジャンルをほとんど受注できている。その奥行きを持った顧客さんを何軒かまとめて掴めていたら生産ラインは割と安泰で、かつ、キャパオーバーでも外注比率を普段から高めにしているので売上が頭打ちになる心配も少ない。

気にしておくべきこととしては顧客さんの勢いは絶対ではないので、常に新しい芽を探す努力をしていけば、順繰りと売上は平均化していく。


今の工業でここまでできている会社は割と強い。もちろんこの方法では担当ベースのマンパワーは確実にあるので、「誰でもできるか?」と言われたら、「人による」としか言えない。ただ、少なくとも産地をまたがって背景を把握して工場同士で知り合っておくことは、この段階では非常に有効だし、そういう動きができてる工場さんに仕事が集中している感も否めない。

やはり自社に固執していると「できないこと」が出てくるのでどうしてもその範囲でしか依頼がこなくなる。別にこだわりを捨てろとかそういった類の話ではない。何も無理に間口を狭める必要はないという話だ。


次に、仕事たくさん持ってる人たちは、あんまりお客さんの文句を言わない。お客さんの質が良いと言ったら語弊があるかもしれないけど、結局自分の仕事の受け方で集まってくる人の属性が分かれていくので商売の結果はいつも因果応報、自業自得だと僕は思ってる。

顧客さんが安定してなくてコロコロ取引先が変わってる人たちは、お客さんの方もあまり行儀が良いとは言えないけど、自分たちが提供している商品もお客さんが納得してないから顧客さんが安定しない。まさにクオリティも対応も「こんなもんやで」体質だ。


総じて先細って「悪い悪い」言ってしまってる人たちは、頭が超カタい。もう、例えがねぇわ。とにかくカタい。僕の体くらいカタい。(ぜんぜん伝わらない)

あとフットワークも重い。小錦。


まずは仕事が集まっている人たちの動き方をよく観察してみるところから始めてみたら良いと思う。環境要因にしたがる人はこういうことを言っても耳に入ってこないかもしれないけど、世間が悪いんじゃなくて、「自分たちの動きが悪かったかも」と自責するところから入らないと、多分産地をまたがって工場背景持っても、その工場さんも協力してくれない。


国内生産比率が下がってるとかいう『言い訳』とかもう「まじ今更?」だし、それ心配するほど取扱商品の業界シェア率高くないんだから絶対商売はどこかに行ってる訳で、それを受注できていない理由が環境要因でないことはそろそろわかってくれ。頼む。やり方はいくらでもあるから。(ただし見てる市場が国内ならゼロサム感はある)

あと昨日も書いたけど、後ろ向きに放てるその膨大なエネルギーを前に向けていこうぜ。気持ちはわかってるから。そういうの飲み会で聞くから。前に、いこうぜ。せっかく良いもの作れるんだからさ。

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