『日本製ガー』ブーメラン。

とあるブランドさんから、弊社が生地で販売させていただいた商品で「生地不良があったから補修して欲しい」と連絡があり、その商品が一枚送られてきた。

そのブランドさんが利用している縫製工場は、いわゆる「日本の匠」的なのが売りの工場さんで、同ブランドとしてもその点を誇りに持っていらっしゃる。

きっと顧客さんもそういう点を信用して購入されているのかもしれない。そうじゃないかもしれない。



丸編みの生地不良補修自体は良いことではないが、実際はよくあることだ。

弊社としても提供した生地に不良があった場合は、速やかに対応することが当然の対応だと考えているので、原因を特定し次第早急に補修作業に当たる。

今回は後身頃の裾あたりに、ニョロっと赤い『飛込み』があった。↓

これをこのような道具を使って↓

このように取り除いていく↓


なぜこのようなことが起こるかというと、生地を編んでいる時に空気中に飛散している違繊維(綿を編んでいる時にポリエステルが紛れ込むなど)が一緒に編み込まれてしまったりするとこうなる。

他にも、こういうのが起こる原因はある。書ききれない。


で、「書ききれないほど原因がある」ということは、生地不良の原因特定は困難を極めることが多い。

何度かブログで書いているが、この業界は水平分業が主で、糸から生地になるまで多数の業者の手に渡り加工されていく。

「この飛び込みは確実に編みだ」と断定できるようになるのはそれなりの経験が要る。


例えば今回のように、とりあえず生地不良で返品来ちゃう時って補修を急いで欲しい場合がほとんどだから、不良原因が何か?を特定するために関係各社に送って所見をもらっている時間はない。

まぁそもそも論ではそういう生地を出さないことが大事なのは言うまでもないんだけど、店頭に出すタイミングで気づくって言うのも、じゃあ裁断の時見なかったのか?とか、縫ってる時に気づかねぇの?とか、検品所は?などツッこっみ所満載なんだけど、これは工賃とかスピードとか色々な話も絡むので、別の機会に掘り下げたい。


で、各関係工場に送って本当の原因特定をしている時間がないから、原因が曖昧なまま補修工場へ回されて補修後再納品される。

この補修費用を巡って、かなりモメる。

糸が原因だと糸屋に言えば、「うちはそんなもん出すはずない」と言う。

編みが原因だと編み屋に言えば「うちはそんなもん出すはずがない」と言う。

染めが原因(以下略





こだまでしょうか、いいえ、誰でも




みんな自分が非を認めることが苦手で、できれば補修費の負担をしたくない。

完全に原因特定できたとしても、「そんくらい出るで、当たり前やん」となることがある。

(弊社と付き合ってくれている工場さんはそんなことないですよ皆さんの名誉のために)

そしてそんな工場に限って『日本製だから』と言って高単価高付加価値を声高に掲げている時がある。


あなた、全力でブーメラン投げてますよ。

非を認めることは次のステップに進めるいい機会なので、向き合って欲しい。

それ、御社の問題じゃない?言い切って大丈夫?

ulcloworks

ultimate/究極の clothing/衣服を works/創造する ulcloworks

0コメント

  • 1000 / 1000