怪我して強くなる、失敗から学ぶ。やり抜く覚悟はあるか?

振り返れば今年で16年この丸編み生地製造業界にいたことになる。

僕がこの業界に入った時に思ってた34歳はもっと大人だったけど、僕はまだまだ子供みたいだ。

前職で女性の上司に「山ちゃん、25歳ってもっと大人だよ!」と怒られてから9年もたった。果たして僕は大人になったのだろうか。


今でこそそれなりに丸編み生地を作れるようになってきたが、まだまだ現場で編んでくれたり染めてくれたりしている職人さんには到底かなわないから、勉強は尽きるところがない。

それにしても色々あった、僕がこの業界にきた時は19歳で、まだ学生でアルバイトとして前職に入った。

当然最初は何もできなかった。「佐川の送り状」の意味もわからなかった。

上司から「おい、送り状書いといてくれ!」って言われても、「は?送り状ってなんスカ?」って言うくらい無知だった。

上司から「おい、この生地の柄をコピーとってくれ!」って言われたら、ファックス入れる時に紙を流し込むところに生地を入れて複合機を破壊するほどに無知だった。



その昔、重さが長さに影響するこのメリヤスの世界で、僕はその矛盾と戦っていた。

糸を24kg買って生地を編んでもらったはずなのに、生機(染める前の編みあがりの生地)の重量が26kgという明細が届いた。

物理的におかしい。普通ロスなどで重量が減ることは考えられても、増えることなど絶対にありえないのだ。

しかしメリヤス工業はそのマジックを難なく可能にする。

僕は納得いかないから問い詰めた。

僕「おかしくないっすか?糸24kgしか入れてないのに26kgできるわけないっすよね?」

ニッター「あぁ?知らんがな、量ったらそんくらいあったからそう書いとんねん。」

僕「いやおかしいですよ、減ることはあっても増えるなんて!」

ニッター「うっさいのぅ!じゃあ量った奴が魔法でも使ったんちゃうか!?」ガチャっ!!ツー、ツー、ツー、、


僕はこの時知らなかったが、支払う単位が1kgあたり〇〇円という賃編み(糸をこちらで手配して外注で編み工賃で仕事をしてもらう)で依頼する場合、ニッターによっては編みあがりの生地の重さを量る時に少しでも多くお金を得るために、生機に霧吹きで水を吹きかけて生地を重くすることで出荷重量を水増しし、請求金額を増やすという姑息な手を使ってくる業者がいるのだ。

暗黙の了解があり、ともすれば通例となっている会社もあるくらいだ。

これは突き詰めれば詐欺行為だが、薄利の工賃世界では、少しくらいのやんちゃは多めに見られていた。



その昔、僕は重さが長さに影響するこのメリヤスの世界で矛盾と戦っていた。

24kgの糸を買ったはずなのに、入荷で計量したら22kgしか入っていなかった。しかし代金は24kg分支払っている。

糸屋にクレームをすると「元々織物用の糸だから重さより糸の長さがちゃんとあれば問題はないはず」とあしらわれた。

これは正直、詐欺だろと思ったが、公定水分率という自然界で環境依存によって変動する重量規定があるために多少の目減りは許容範囲があることを僕が知らなかったため糸屋は無罪放免である。

結果的に生地は少し目付が軽くても予定通り長さは出たので問題はなかった。


そう、誰もがみんな最初は一年生である。

無知で当然。失敗もある。知らないことだらけである。

しかし無知の知は、大きな一歩になる。学びの入り口だ。

だからといってノウハウコレクターのようにペーパー上の知識だけ得て頭でっかちの言い訳野郎になってしまうと、本来体験から得られるべき失敗や躓きから成功を導き出すという、生きた情報から学び成長していくというステップを踏まなくなる。その結果、経験に裏付けされる自信が持てなくなり裁量権を与えられてもジャッジすることができなかったりする。


怪我したり、失敗するのは誰だって嫌なもんだ。

でも、この業界で生きていくという覚悟があれば、失敗から学ぶ姿勢は自然と付いてくるのだ。

失敗してもクヨクヨしてる暇はない。生きてかなきゃいけないから。

そうなればあとはやることは一つ。失敗に学び、同じ過ちを繰り返さずに成功の道を探ることである。

スラムダンクの安西先生も言っている。「諦めたらそこで試合終了だよ」

これは金言だ。

肌に合わなければ去るのみ。やりきる覚悟を持ったなら、悩まずにどんどんぶつかるべし。

恥ずかしいことなんか、何もないよ。


みんな覚悟と熱意を持って臨めば、どんなバカな質問だと自分で思っても真剣に聞いてくれるから。

仮にバカにされても、めげる必要はない。

質問が理解されないのは伝え方に問題があるかもしれないから、そういうところも見直したりすることが、また一つ成長に繋がる。

大切なのはやり抜く覚悟だよ。

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