自分の身は自分で守れ。

もう今日のブログ、この絵で終わりでもいいかもしれない。まぁ大手あるあるなんだけど、ODM業者さんは少なくともこういう泣き寝入りはあるのではないかと。

「シーズン前提案お願いします!」と言われ、ブランドのイメージを把握しつつ資料を揃えて提案していくのだが、時にやりたいイメージを掴めずに「幅広く見たいので色々見せてください!」という要望は日々あることだろう。

まぁこれ自体、ブランドの可能性を広げる為には必要なことだからいいと思うの。全く問題無い。

ただ時に、思考停止しているデザイナー陣や謎のブランド内バイヤーおよびディレクターにプレゼンする企画体制などを抱えてしまっている大手ブランド(もう僕はこういう屋号に対してブランドって言いたくない)は、業者提案ネタを振り回しリプロを繰り返し商品を世に吐き出している現状もある。これは非常に残念だが、ある。


相手先が薄情なので、これは同情に値するのだが、裏を返せば相手を知っていれば避けられた事態でもあるとも言える。経験値にもよるので、若手営業がこの罠から生還する可能性は低いけど、事前リサーチ(これはブランドを知る為の市場や売り場を調べるだけではない)が徹底されていると、勘がいい子なら高確率で避けられる事態だ。

業界は狭い、いい話は走りにくいけど、悪い話というのは速攻で走る。ウサインボルトが高橋尚子並みの持久力を持つが如くスピーディに広範囲に走る。

この業界内情報にもアンテナを張るのは、市場調査に併せて必要だ。

だから業者同士の野良話でも「おっさん達がまたどこぞの取引先の悪口を言い合っている 」と一蹴せずに、忍耐強く商談席に同席し必要な情報を獲るというしたたかさを見せつつ、馬鹿を装い、「へぇそうなんですか?でもなんで〜?」などと必要な情報を深掘りして獲ることもできる。プラスおっさん達に可愛がられるというオマケ付きだ。


情報面ではそうでも、中間業者が挟まると、そのエンドユーザーを避けられない事態となってしまうこともある。

その場合は中間業者にしっかりフィルターをかけてもらうか、提出資料で風呂敷を広げすぎないなど手の内を全て持っていかれるような資料の出し方は避けるのが自衛策になる。

「もしかしたら商売になるかもしれないから・・・」と迷うのであれば、リプロされても痛くない資料などを元に近寄って様子を見るといい。その際に気に入った物に対しての製造プロセスを根掘り葉掘り聞いてくる場合は、適度にはぐらかしてトンズラだ。聞いてくる範囲が応用の為の適切な程度なら構わないが、糸の番手や紡績会社、ゲージ(打ち込み)や染色方法、仕上げ方法などに特殊性があるのかなど、もうその情報あったら他所で作れますよねっていうレベルで聞いてくる奴がいる。

度胸が座ってる業界の腐れ重鎮は、特に年下には無遠慮に原料レシピの提出を要望してくるが、これは「企業秘密です」とか言って拒絶していい。これに答えて発注がまともにくる可能性は限りなく低い。


一番いいのは手の内を明かしても他所で作れないようなクオリティ作りができることだ。

これはニアなものがあっても代替えが利かない場合はオーダーに繋がる。製造側は常にここを目指すのが強みになるのは間違いないが、それでも単価の非常識な減額交渉などをしてくる場合は、その取引先を切るくらいの覚悟があっても全く問題ない。

売上を作らなきゃいけないと焦りに負けてそのようなゲスい相手になんとか条件を合わせようと努力している時間を別の取引先に使った方がはるかに有意義だ。


そもそも商売のフィールドが違うと切り替えていくのも、時には必要なのだ。

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