工場員Aの苦悩。

工場員A、彼は元々、システム販売系の営業だった。

父親はとある町工場の工場長で理系出身の発明大好き天才肌。

そんな父の務める工場に工場長候補として転職することになる。

工場作業員になった彼は、営業が取ってくる注文を機械と向き合いながらこなすという日々を淡々と繰り返していた。


そこへ、東京の営業所から研修人として20歳で金髪、破れたジーパンの変な奴が現れ工場を掻き回すようになる。

金髪のヤツは彼の父親である工場長にべったりと張り付き商品づくりのノウハウを聞き出している。

金髪のヤツはいつの間にか工場員の輪の中で楽しそうにやっている。

金髪のヤツはいつの間にか事務員のお姉さん方にも可愛がられている。

金髪のヤツはいつの間にか社長と一緒によく食事を共にするようになっている。

金髪のヤツはいつの間にか会社のやり方にあれこれいうようになっている。

金髪のヤツはいつの間にか彼の会社で培ったノウハウを武器に独立している。


工場員Aの彼はその間も黙々と営業から振られる仕事をこなした。

彼は傍観者になってしまっている自分に悶々とした。

彼は成功者の言葉に触れては自分の無力さを嘆いた。

彼は発言できない自分の性格を呪った。

彼は本当は新しいものづくりがしたかった。

しかし日々忙しなく営業から納期の発破をかけられ、自分の時間を作ることができなかった。


ある日彼は、テレビで自分が扱っている原材料を開発した人の番組をみる。

そしてその原材料を使用した自社の商品を今開発中だということをSNSで発信しだした。

金髪だったヤツからそのSNSを見てその内容が良かったから発信を続けた方が良いと連絡が入り、お互いに励ましあった。


工場の現場は孤独である。

しかしものづくりのドラマはそこにある。

ふと目線を広げると、自分が作った商品が世の中で活躍しているのに、工場員はただひたすら目の前の作業に追われてしまう。

作業員Aは作業に徹するより、技術を若い工員に託し業界と工場を俯瞰してインプットとアウトプットをする方がもしかしたら得意な人財なのかもしれない。

発信することで、自社の営業以外からのフィードバックもある。

実際営業がどんなクライアントに対して営業かけているかも曖昧な工場員というのはちょっと会社としては問題がある。

営業はもっと工場員に対してエンドユーザーの情報を出していくべきである。

「言ってもわからない」と高を括ることは工場員の成長を止めてしまう。


会社の器次第だが、工場員Aがオフィシャルの広報をすることで新しい何かが生まれるかもしれないし、生まれないかもしれない。

既存の手法に行き詰まりを感じているのなら、試してみる価値はあると、金髪だったヤツは思うのであった。

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