丸編み生地製造の勉強-目付け編-

「目付け-めつけ-」は編み地を作る上で非常に重要なキーワードだ。

簡単に説明すると目付けは重さのことである。

生地〇〇m作るのに、糸〇〇kg必要という感じ。

クッキー〇〇枚作るのに、小麦粉〇〇グラム、牛乳〇〇グラム・・・と同じ。

以下、少し詳しく説明していこうと思う。


丸編み生地は完成生地として販売する時1メートルいくらという単価の提示になる。

しかし生地を作る場合、糸値や編み工賃、染め工賃(地域によって違う)は全て重量単価(1kgあたりいくら)によって決済される。

原料をどれくらい用意しなければいけないのか?など、全て重さが分からないと生地が作れないのである。


下記計算式を参照していただきたい。


例えば30/1の糸で30インチ28ゲージの編機で天竺を400m作りたいとする。

30/1,30インチ28ゲージ,天竺、これは定番的な天竺なので(度目によるが)目付けの履歴がある。(30インチは編機の口径の大きさで生地幅を決める)

履歴に準じてこの生地は、170cm幅で目付けが0.275kg/m程度である。

で、400m作りたい場合、400m x 0.265kg/m = 110kg生地を編まなければならないということになる。

400m/110kgも一回の反物で巻けないので、40m/11kg/反 x 10反 で納品するのが一般的。


履歴が無い、世の中に全く存在しない生地を作る場合、その生地の目付けがいくつなのか分からないので、見積もりは愚か、原材料がどのくらい必要なのかさえ解らない。

まずは使用する糸の太さと編機の情報を元に、過去にそれと近い履歴が無いか調べておおよその検討をつけるしかない。

そしてサンプル反を作成して、上がってきた生地を1メートルカットしてその重さを測る。

そこで初めて見積もりや量産に必要な原材料の量などが出せるようになるのである。


覚えやすいように、速さ、距離、時間の「はじき」みたいにまとめてみた。

「ひげめ」としておいたら覚えやすいだろうか。



以上のことから、やった事ない生地の見積もりを頼まれても、答えは「わかりません」である。

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