悩んでも変わらないこと。

中間で生産の立ち位置にいると、色々なことが起こる。


ものづくりにトラブルはつきものだ。

中間業における自己起因で起こりうるトラブルを無くす方向の努力が効くのは、受けた仕事に物理的に無理(コストや納期などの見積もりが甘くないかなども含む)がなかったか?作ってくれる方に依頼するときの指示に不備(途中細かな確認の漏れがないかなども含む)がなかったか?の2点くらいに集約される。

それ以外はほとんどの場合、自分のチカラで防げるトラブルというのはほとんどない。

実際に物が上がってきた時に、依頼と違う状態で届いたら、これはもう、自分の依頼内容に不備がない限り、トラブルのボールを自分が持ち続ける必要はない。

できることがあるとしたら、なぜそんなトラブルが起こったかの原因確認、正しいものに作り直す時にかかる時間とコストの確認、再発防止手段の共有の3つ。


その次のアクションは違ってきてできてしまった物と、上記3点を持ってお客様に現状報告と謝罪だ。あとは用意しておいたリカバリーの選択肢を選んでいただくしかない。ビジネスとしてはここでクリアだ。


なのだが、もう一個、人間は感情の生き物であるので、怒られる覚悟もいる。

その怒られることが嫌で、悩み、持ってても仕方ないボールをいつまでも自分で抱えてしまう生産業者は多い。


いつだったか、業界の大先輩が経営されている会社のスタッフさんが、色がブレて上がってきてしまったことをかなり長い時間、自分一人で悩んでおられたそうな。

ある日、彼がまだそのボールを持ったままの時、たまたま立ち寄った僕に相談された。

「色がブレちゃって・・・どうしたらいいと思いますか?」

この質問に対する答えは、先に書いた通りのことをするだけしかないのだが、その内容をお話させていただいている間も、彼はずっとブレて上がってしまった物と、本来上がるべき色の物を見比べては困った顔をして悩んでおられた。


いや、見比べて悩んでいれば色ブレが直るなら、ずっとそうしてたらいいけれども(´・_・`)


直らんし(´・_・`)


現実を見ろ!


しっかりしろ!


眺めているだけではいたずらに時は過ぎ、リカバリースケジュールもどんどん遅れてしまう。まして、ブレて上がってきた物に対して、速攻で作ってくれた方に「ブレてます、納められないかもしれません」くらいのジャブ打っとかないと、時間が経てば経つほど確認用で送ったそのブレた状態の物でOKもらえたもんだと思われてしまう。

そして納期は差し迫り、お客様が許容できる時間はなくなり、リカバリーしてもそれじゃ話にならないよっていう、あとのまつり状態になってしまう。


どうせ怒る人は、速攻で報告して対策を説明しても怒るんだから、怒られるなら早い方がいい。一番大事なのは、きちんとしたものを、期日に納めて、商品が市場に出て多くの買ってくださる方々に行き渡ることだ。

お前の怒られること怖さで悩んでることなんか、誰の得になるというのだ。


怒られんのは確かに嫌なことだけれども、そこで自己保身のために悩んだところで、何一つ解決の糸口はない。

悩むだけ時間の無駄である。いくら悩んでも現実は変わらない。非情にも。


こうやってみると、そんなやつおる?って思われるかもしれないが、実際、おる。

そして悩み悩んでしんどくなって、飛んでしまう人もおる。それはなんと勿体無いことか。


『好き』だけでは、こうした局面でやり切る胆力みたいなのを挫かれやすい。『好き』という気持ちが報われるためにも、悩んでも変わらないことを知り、きちんとケアして、どんどん案件がこなせるようになっていこうじゃないか。

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