たぶん、そういうとこなんじゃないかな。
最近はコロナ緊急事態宣言を受けて、弊社もオフピーク通勤を目的とした変則シフト体制をとっており、僕はもっぱら超早朝出勤から昼過ぎ退社を繰り返している。
シーズン立ち上がりや次シーズン展示会向けの実務作業的なことは午後出社組のスタッフたちの対応のおかげさまで概ね問題なく、僕はもっぱらテキスト作成やペーパーワークがメインとなっている。
このペーパーワークが、今弊社的将来を明るくするための作業だったりするので、目下これに集中できる環境というのは、不幸中の幸いというかなんというか。
で、ペーパーワークは当然提出先があるからやるわけで、自分向けだったらPCの画面だけで問題ないのだけれど、文字起こしして紙出しして提出する時も、受け手のルールに則ってやる必要がある。
そして、その伝達方法も様々で、とある書類は郵送必須、とある書類は電送のみでOK、とある書類は原本郵送と電送の両方が必要で、まとめ方はそれぞれに云々と、しかもそれを出せば良いだけではなく、事前に対面またはweb会議を通して合議を得て、さらにそこから送付案内を出してその旨を・・・・
と、いうわけで色々とやることが多い。
これに対して「今時さぁ、紙で提出せんきゃいけんなんてマジどんだけー」と言った具合の文句の一つも、昔なら言っていたんだけど、歳を取ったのかなんなのか、全然苦じゃなくなっているし、なんなら「まぁそうだよな」って相手の方法に合わせることの必要性さえ感じている。
DX遅れが叫ばれて久しい繊維製造業においても、やれファックスが化石だのなんだのと、そのツールを否定する声は多い。まぁ確かに、時代遅れ感は半端じゃない。気持ちはわかる。し、僕もそう思う部分もある。
メール一本に全ての内容が書いてあれば問題ないような気もするし。変更箇所があればスレッド形式で返信に返信を重ね、本文引用で差し込めば該当箇所の変更があった履歴も残る。それはそれは便利なツールだ。
もっと言えば、クラウドで双方向から編集管理できる表計算シートもある。ここにアクセスできる環境、すなわちスマホがあればインターネットに繋がっていたらリアルタイムで確認や変更更新などできる便利な時代である。
ところがいまだにそれらのツールを断片的には利用していても、なかなかつなげていくことが難しい人もたくさんいる。現場作業を兼務している零細工場の社長はいちいちパソコンやスマホを開いているわけではない。それに、タイムラグがあるにせよ、メールやLINEが繋がるようになっただけでも、前に比べたらだいぶ進んだと思う。
「一応ファックスもしたんですけど、〇〇って内容のメール入れました!後日原本郵送します!」っていう内容のLINEを入れました!っていう内容の電話。連絡方法のMECE。
— 山本 晴邦 (@HARUKUNI_Y) February 4, 2021
MECEとはちょっと皮肉に意識高い系で書いてみたけれど、要は『漏れなくダブりなく』という意味で使われている。興味ある方はググってみられるとよろしい。
と、ググってみてと言われたら腹が立つ人もいらっしゃることだろう。もし腹がたったなら、自分が製造工業者に向けて「メールみてないんですか?」などと冷たく言い放って怒りをおぼえた記憶があるかどうか思い返してみてほしい。
その「メールみてないんですか?」という一言に対して(お前のメールなんか逐一みるかボケ、こっちは現場で糸つないどんねん)と内心で激しく怒りを沸騰させつつも飲み込んで「申し訳ありません、すぐ取り掛かります」と言っている人たちがどれだけいるか想像ができるだろうか。いやこれは実際、相当いる。
そういう人ほど、現場からメールや書面で変更箇所を伝えても見ておらず「そんな大事なことなんでちゃんとわかるように教えてくれなかったんですか?」などとお怒りになられたりするわけで、これはなんとも、いとをかし。
ただまぁ、そんなつまらんことでいちいち怒るより、思いつく限りの手段を使って大事なことはお伝えした上で、相手がきちんと承知したのを確認する方が、少々面倒でも、少々相手から愚痴を言われようとも、抜け漏れがあって大惨事になるよりは格段によろしいかと。
いずれにしても、相手の状況を考えて手段を選ぶというのは、時代の流れなど関係なく、思いやる気持ちの問題なのではないかと思ったわけである。
0コメント