市場を変えるチャレンジ。

 繊維製造工業関係諸兄においては、現状維持はなかなか難しく、日々新しいことにチャレンジするということを迫られている今日この頃である。某氏が嘆かれていたように、クラファンが一発逆転ビジネス然としてしまって、連日各社からDMで届くクラファン始めましたのご案内は、時にリンク切れを起こしていたり、ただ告知表紙だけを送ってきたりと、相変わらずの売り手が強い意識である。


まぁ、やったことないからチャレンジするってのは全然良い。むしろいつも言っていることだが、やらんよりは数万倍マシだ。でも、クラファンのっけた先の自社ホームページがもう5年更新なしとか、まぁクラファンやってるくらいだから息はしてるんだろうけど、息してるか心配になる。

そういうところを見る人は見てたりするので、結構注意した方がいいと思ったり。目一杯の助走をつけてあのボーダーラインを飛ぶんだってミスチルも言ってるし、やっぱりいきなりドンってこられてもそうですかってなかなか支援できなかったりするんですよ。それはもう、プロダクトとかそういう次元の話じゃないと僕は思うわけで。


さておき、ファッション産業にしがみついていてもラチがあかんと言うことで、市場を新しく見出そうと別ジャンルの展示会に出展するために色々とお手伝いさせてもらっていた会社の社長さんとお話をしていた時のこと。

その社長「もうしんどいな、ほんま。どこ行ってもなんぼでできまんのしか言われへん。そんなん絶対工賃上がれへんやんか。」と。まさにその通り。しかし彼自身、今まではその「なんぼ?安せえよ」の繰り返しだったことは僕が一番知っている。だが彼自身が気づいたから、市場を変える覚悟を決め、他ジャンルに乗り出すと。八方塞がりになる前に打てる手をきちんと打っておきたいという気持ちの現れと、あとは会社をやる上で、ちゃんと社会貢献がしたいのだとおっしゃった。すごい良い。


もちろん経営だから、利益をうまなければ回らない。慈善事業じゃないから、社会貢献っつったってちゃんと収支を考える。そのために市場を変えるってのは、自分たちができることで適正にお金をもらって役に立てる場所をきちんと探し当ててチャレンジするってことだ。

「〇〇が儲かると聞いて」と、とにかく流れに乗ろうとしたって、商売相手を舐めちゃいけない。そういう目が¥マークになってる人ってのはすぐわかるもん。そういう人は多分自分たちが何を売ってるのかわかってない可能性が高い。が、きっと流れができれば参入は免れないから、そうなったらやっぱりまた過当競争が始まるんだろうけど。一回市場チェンジできたら多分次はピンチを知っているから事前に網を張る意識を持てることだろう。


とはいえ、件の社長さん曰く、もう自分も仕入先さん相手に値段どうこう言いたくないのだとか。資本主義社会だから、そういう場面があって当然だが、なるべくネガティヴな競争をしたくないのだとか。素晴らしい。一体なにがあったんだ。終活で徳を積み出したか。とは言わなかったが、嬉々として「本当に良いと思います!素晴らしい!」って言ったら、読み取られたのか「失礼やな君は」と怒られたのは笑い話。

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