算数は少しはできた方が良い。
丸編み生地の世界に入ってくる人で、算数に弱い人は、残念ながら多い。
莫大小は伸び縮みするものだから、定数ってものがあまりないので、算数なんてそんな関係ないと思われがちなのだろうか。だとしたら、考え方は改めた方が良い。むしろ結構算数だ。
イメージ画像のように、3割の利益を残そうと思った場合、原価に1.3をかけたらニアで3割は乗せることができるが、3割は残らない。経験上これが結構わからない人が、過去にコスト計算を教えていて多かった。
これだと仮に原価が1000円だった時、1.3を掛けて1300円だから3割取れてるじゃないですか!ってツッコミが強めに来そうだけど、1300円で3割残そうと思ったら、原価は910円じゃないといけない。1000円原価で3割残したかったら、0.7で割ると良いよ。ってのが、なかなか伝わらない人が多かった。し、多分いまだにそういうプレイヤーは多い。
3割残したかったら、原価が全体の7割じゃないと、3割利益出ないの。
このレベルの算数ができないと、コスト計算の考え方とかもなかなか浸透しにくい。そんなやつおらんでしょって思うでしょ。世の算数嫌い人口は、みんなが思っている以上に多い。自動販売機で130円のジュース買おうと思って1000円入れた時に、870円のお釣りが返ってきて「なんか100円多く取られたんだけどお!!!」ってわりとマジで騒ぐ人、おるからね。
見積もり欲しいって依頼は、ものづくりしてたら常にある。
生地だって生地を売ってる会社から買って利益を乗せるにも、さっきの計算ができないと利益率を確保できない。
まして生地メーカーなら、そこから先にさらに細分化した計算が待っている。その計算のロジックが物のイメージとリンクできないと、公式だけ覚えて応用が利かなくなる。
まず、単位を統一するための考え方がきちんと備わってない。
車のスピードを計算するとき、距離÷時間で速さが出るの、小学校で習った気がする。いわゆる『は・じ・き』ってやつ、あれ中学だっけ?
丸編み生地も、基本的にはこれに似てて、まず大枠で『重さ÷長さ=目付』ってのがある。これが基礎になってそこから深掘った計算に分かれていくんだけれども、『重さ』が『kg』で始まって、『長さ』が『m』の時に、『目付』は基本的に小数点以下の『kg』になる。で、この『目付』から逆算する時に、実測の目付が仮に『300g/m』だった時に、g→kgの変換ができなくて、永遠に高額商品の見積もりを続ける事になる。
分率と言って、生地を公正する糸の比率を導き出す計算をする時に、糸の太さの単位を揃える必要がある。例えば短繊維コットンの30/1を15本と、ポリエステル長繊維150デニールを10本でボーダーを編む時、それぞれの割合は何%ずつになるでしょう。という問い、どう計算するか。
これは短繊維と長繊維で番手表記が違うので、揃える必要がある。綿番手は一定の重さに対して長さが長くなる(つまり糸が細くなる)と表示番手の数字が大きくなる。デニールは一定の長さに対して重さが大きくなる(つまり糸が太くなる)と表示番手の数字が大きくなる。※これは番手の考え方のブログを参照。
で、どちらがどれだけ多いかというのを調べるのに適しているのは、物理的に分量が多いものをわかりやすく表示しているデニールの方になるので、綿番手をデニールに揃えてあげた方が後の計算がしやすい。(例えばの例題の答えがわかって答え合わせしたい人はtwitterでリプください)
ものづくりの現場に入りたいという若者たちよ、算数はお好きか?
0コメント