おごれる人も久しからず。

みなさんご存知だと思うが、先週末にレナウンが民事再生手続きに入った。倒産って言ってる人多かったけど、本当に会社とかのこと知らない人が多いんだと認識させられた以外に、レナウン知ってる人結構いるんだなって感想を持った。僕もレナウンには、前職時代も初期の頃に間接的に色々とお世話になった。

民事再生の経緯については、僕より詳しい人たちが色々と書いてるので、オーミケンシの時と同じように、彼らとの思い出を振り返ってみようと思う。しかし、オーミの記事を書いたその場でこのニュースを知り、同社と取引をしている友人の安否が気になって、正直、先週の金曜は酔えなかった。


レナウンと言えば、僕の中ではアーノルドパーマーだった。あの傘のマークのやつ。

当時、中間に入ってた商社の担当のクセの問題もあったろうが、それはもう、アクロバティック三昧だった記憶がある。ほんとに、嘘みたいな納期とか、物理的に無理な物性要求とかあった。僕は当時、まだ悪意に噛み付けるほどの知識と威勢の良さを持ち合わせておらず、大人が言うことは絶対に守らなければいけないと思い込んで(これが世間に出るということか)と、たくさんの理不尽な要求に耐え、得意先のオフィスで社員全員が振り返るほどの大声で「生機じゃわかんねーだろうが山本ヨォ!なんかやり方あんだろうが!」と怒鳴られ、トイレの手洗い場で生機を濡らし、ジェットタオルに当てながら乾燥させてなんとか生地の仕上がり見本に近づけようとしたり、糸から別注の生地を3週間で作れと言われたり、その納期に近づけるために、糸〜編み〜染め〜港まで張り付いて手伝ったり、港でトラックから荷下ろししてる時に担当に電話して「間に合いました!」と体力尽きてボロボロの状態で伝えたら、「ありがとな山もっちゃん〜やればできんじゃん、あそうそう、あれ850円のところ、780円にしてくれる?」と追い討ちをかけられ、めんどくさくなって「いいっすよ別に」って言って電話を切ったり、もう、あのエピソードで映画できるんじゃないかってくらいドラマチックな経験を経て、あんな奴らにこんな思いをさせられたくないという強い思いから、テキスタイルジャンキーの道をたどるようになる。(長い)


最近の企画から生産がどんなやり方してるかは、正直知らなかったけど、中国資本が入る以前から銀行系の売掛保険は確か十分な枠を取れていなかったはずだし、昔はS,A,Bと発注ランクがあったくらい同社との取引は身構えておかないとキャパをガサッといかれるイメージだったのが、僕が知りうるかぎり最近の発注では、そこら辺の小規模アパレルのちょっとオーダー伸びたくらいのイメージまで凹んでたので、民事再生自体は驚かない。

親の中国の会社が踏み倒してるって話も、中華系の企業は『払わないのも美徳』みたいな風習もある(絶対にいいことではないけど、それも信用商売だという)ので、未回収分の引当金くらい準備があると思ってたけど、なかったんだね。お世話になってた中間の商社も既に口座を引き払ってたらしい。さすがっす。


スポンサー探しの期間がやたら短いから色々と勘繰ってしまうけど、僕の推測なんて正直どっちでもよくて、当時のつらい思い出と、友人の、そして多くの債権者たちの、努力の結晶である仕掛かり品や売掛残、これらを思うと、まるで酔えないのだ。まぁ僕の思い出はどっちでもいいか。


退ける時に、きちんと筋を通して人様に迷惑をかけずに退いとくのが、日本ではかっこいいとされているし、法律で決まってることだから認められるのもわかってるんだけど、売り先がダマテンで飛ぶのはキツイよな。心情的には。とは言え、どこに対してもこのリスクはある。もう繊維業界で青天井はない 、そう思って準備しなきゃなと、自分の褌を締め直した週末であった。

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