結局は人が作ってるからね。

工場訪問の多くは、前向きな理由より、後ろ向きな理由が多い。

昨日は直近納期の商品の一部に異臭がするということでそのトラブルシュートしに現場へ急行した。問題の内容は大したことなかったし、僕の引き出しの中に解決の答えがあったから、それを実践しに行ったという感じで、ともすれば電話で指示出してやってもらう事も可能と言えば可能だった。けど、なんか心の声が「行け」と僕に言った気がしたので、時間的に遅いかもしれないけどとりあえず向かった。


事の処理自体は少し場所をお借りして作業させてもらうことでそんなに時間をかけずに済んだ。その間、工場長の方もつきっきりで手伝ってくださった。

その間も話しながら作業したのだが、作業を終えてから食事にとお誘い頂いたので、工場長と一緒に夕食をとりながら少しお話をさせてもらった。

この工場のお客さんには、このようなトラブルの時、他社の営業が現場まできて一緒に作業をすることなど、最近ではまるっきり無いようで、その行動自体に感動してくれたようだ。むしろ「そっちでなんとかしてください」という人たちがほとんどで、そういう時代だと半ば諦めている部分さえあった。
弊社生産担当から「いまウチの社長がそっち向かいましたから〜」と電話で伝えられた時は「冗談やろー」と言って笑ってたらしく、僕が現場に着いた時には「ホンマに来はったんですね!」と驚いていた。サプライズは大成功である。

まぁ経緯はどうであれ、依頼している現場を訪れるというのはとても良い。お互いに顔を知っていると仕事の感覚が全然違ってくる。
そしてその食事の席で、僕の思い描いている業界の未来や、自分たちがしていきたいこと、工場にとってどういう風にしたら今後生き残っていけるかなどを、短い時間内ではあったが非常に濃い濃度で話し合うことができた。

聞けば僕の人生と同じくらい、工場長はこの業界で仕事をしている。そんな大先輩から、僕みたいな若輩者の意見を聞きたいと言ってもらえるなんて、光栄だし、その姿勢はカッコよすぎると、尊敬の念が倍増するのであった。

本来であれば弊社の仕事の規模では満たされないような大きなキャパの工場で、仕事を受けて頂いてること自体非常にありがたいことなのに、帰り際、「ウチで良ければどんどん仕事入れてくださいね、一生懸命やりますんで」と言ってくれた。感謝で涙が出そうだった。こういう姿勢がある工場が生き残るんだろうなって思った。

別れたあと、少し酔いさましに一人地方の裏路地をブラついて、ホテル取ってなかった事に気がついたが、それはそれで、良い夜だった。

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