工場の人も実際に売ってみたら良いんじゃないか。

これを思いついたのは昨晩お風呂で瞑想してた時。昨日のモヤモヤは『不当な扱いを受けている』と思っている国内工場さんの言い分を過剰に保護する動きに対するアンチテーゼと言うか、(・_・)。○◯(まぁそうなんだろうけど、本当にそうなの?)的な内容のブログだった。

で、具体的に何をしたらこの溝が埋まるのか?ということを考えてたら、「工場さんも売り場に出て売ってみたらいいのでは」という考えに至ったのだった。


要は産業の未来を憂いてグズグズ言ってるだけじゃなくて、業界全体を俯瞰してお金の流れを意識して、顧客さんの市場を良いものにするために自分たちにできることを考えて行動していこうぜってこと。


アパレルメーカーさんがものづくりを理解するために工場見学をする事はよくあるのに、工場さんたちがアパレルメーカーさんの業務見学や販売体験をする事ってないし。将来自社を繁栄させる気があればこの発想になっても良い筈だなと。


今の工場の人たち、「小ロットでうるさいお客さんがNG」とか、「ロットあっても単価キツい」とか、「メーカーの指示が曖昧」とか、メーカーさんに色々言いたい事あるじゃん?それを工場見学の時に理解を求めて話たりするじゃん?それはそれで必要な事だと思うの。むしろ奨励してる。アパレルメーカーの人たちに工業の仕組みを理解してもらう動きは前職時代から今も引き続き鋭意活動してるし、無茶言う輩はシャットアウトしてる。

そしてアパレルメーカーさん達には工場見学を通して技術に対する新しい可能性とかも感じてほしいし、どんな人たちが、どんな風に作っているかを知ることで商品に温度が宿るし、「依頼する時に丁寧にしなきゃ」とか、「こういう人たちが作ってくれてるからいい企画にしなきゃ」とか、メーカーさん側に意識付ける良いきっかけになるから。


ただ、この思いは一方通行と言うか、モヤモヤの正体はこれで、乱暴な言い方すると、今の状況は言いたいこと言って「だからお前らもっと俺らがやりやすいようにしてくれよ!」って自分たちの状況を相手に預けてるだけになっちゃってんなと。


でも、それならそれでアパレルメーカーさん側からも工場に対して言いたい事っていっぱいあると思う。

工場さんたちも事情がわかってる場合もあるけど、理解はしてないと思う。なんでロット割れのオーダーになっちゃうのか、短納期になっちゃうのか、工賃を下げてほしいと思うのか。(展示会だけでオーダーがまとまらない時に地方回って受注かき集める巡業に出たり、大きい口座からの別注を引きつけたりとメーカーさんも発注条件を満たすために努力してる)  結果だけみたら工場側からしたら、アパレルメーカーの努力不足で終わっちゃう内容でも、体験してみたら一概にそうとも言い切れないかも、とか考えてもらえるきっかけを作る必要があるのではないかと。


工場さんたちって、自分が関わった仕事の最終商品を売り場に行って、どんなお客さんたちが買っているかまで見てる人は(いるだろうけど)そんなにいない。見てたとしても、生地屋なら生地の良し悪しとか、縫製工場なら縫製の良し悪しとか、技術的な側面に意識が行ってる。それはそれで見るのは良いんだけど、服の構成要素の1パーツだけ取り上げて『売れる』とか『工賃もっともらえる』とかそういう結論って出せない。その服の総合的な仕上がりとか、ブランドの全体像とか、お店の感じとか、そこに集まってくるお客さんとか、販売員さんの接客の仕方とか、木だけじゃなくて森も見ようねって話。

その上で、お客さんの戦ってるフィールドを知らないと、受けてる仕事だけ取り上げて「やれ◯◯は工賃が安い」だの「◯◯は売れてる」だの、聞こえてくる噂だけで判断して解った気になっちゃってないか?というのが心配な部分だ。


最低限、少なくとも今取引しているお客さんの事は知っておいた方が良い。

間接情報だけじゃなくて、会社内の雰囲気や売り場の雰囲気とか、現実に起こってることを目の当たりにしておけば、その会社の調子や雰囲気が良いとか悪いとかもわかるし、そもそもどうしたらきちんとモノが売れていくのかとか、それを体験する事は工場側にとっても非常に重要な事だ。

これ。

それぞれのポジションで、それぞれのプロが、それぞれに自己主張だけしてても、治るもんも治らんっていうことではなかろうか。結局みんな同じ山登ろうとしとるのから、どうしたら相互協力の元、同じ頂点を目指せるかを前向きに話し合おうじゃないか。そして実際に行動に変えていこうじゃないか。


ということで、知り合いのブランドさんに「今度ポップアップあったら店に立たせてください」って言ったら「山本くんは上からモノ言っちゃうからダメ笑」って言われたのが今日のハイライト。

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