段取り。

仕事とは、各社目的のために業務が遂行されたら、関わる人間関係の状態など、どうでも良いものである。と言うのが、今っぽいのであろうと思われる。気がする。まぁビジネスはそういうもんだろう。


僕自身、別に呑みニケーション肯定派でもないし、体育会系の上下関係が苦手だったから中学で野球をやめた経緯もあり、かつ、仕事や自分のやりたいことでもなければ家に引きこもってメタルギアソリッドでハンドガンにサプレッサーをつけて遠くの敵を撃ち続けることを徹夜でやるくらいの陰キャなので、デジタルツールだけでモノゴトが進む世界はなんて素晴らしいことなんだろうと思っている。

送信した内容や日時の履歴も残るので、時系列や事実確認の上でも、メールなどのやりとりは仕事をしていく上で大変素晴らしいツールである。


最近ではオンライン上のスペースに案件ごとに関連する人々が参加して常に共有しながら進捗確認できるツールもある。デスクワークメインの仕事なら、ほぼこれで完結するのだ。


繊維産業において、これらが浸透しない問題はもうずっと課題になっている。その原因については、何度かこのブログでも触れている通りである。簡単にまとめると、製造現場の人間はパソコンに張り付いているわけではないという理由だ。営業と現場作業する人が同一人物なのは、この業界では珍しくないというか、末端の現場ではほとんどそうである。


ニュアンスの共有なども難しい。文面で伝えて相手の理解も齟齬がない状態というのは、立ち位置が違う以上、双方の目線のすり合わせが普段からどれだけできているかがキモとなる。

つまり普段のコミニュケーションというのも、非常に重要な段取りの一つである、ということだ。

手数としては、重複が重複して無駄と思われやすいこの冗談ツイートも、緊急度が高い案件であれば実は大事な段取りの一つである。


また、結論が先というせっかち現代において、問い合わせに対する回答が答えだけだと、実際そうだとしても、その結論に至った経緯が見えないから納得してもらえずに関係悪化し、納まるものも納まらないという事例は、よく見かける。


繊維製造業界に若者が少ない(または早晩離脱してしまう)理由として、この辺の『やることやったのにうまくいかないから嫌になっちゃった』系はあるあるかもしれない。

例えば納期確認で、ケツが切羽詰まってるオファーに対して、なるべく依頼に合わせようと努力した結果、間に合わないという結論だけをメールで伝えると、相手はどう感じるか。サムネイルの画像のように。

仕事なので感情なんて捨て置けば良いものだが、残念ながら人間は感情がある生き物なので、十中八九怒る。まぁ怒って納期詰まるならいくらでも怒ればいいんだけど、怒ったところで何も現状が変わらないなら怒りなどなんて生産性のない感情の昂りだろうと思うけれどもしかし、その後のやりとりがスムーズになることは難しいだろう。

そこで、例えば事実内容のメールを入れるにしても、結論を先にかいて理由を付け足しておいて、だからそうなるといった具合の内容で打っておいて、送信前に一本電話でもして、申し訳なさそうなテンションでカクカクシカジカ、でメール入れる。

すると受け取る相手側の心の準備もできるので、メールで冷静に事実確認をした上で、対策を講じることもできるようになったりするものだ。

まぁそれでも「なんとかしろ」しか言わない人もいるけど。けっこう。たくさん。

とはいえ、いくらかマシな状況は作り出せるだろう。たぶん。人によっては。


あと単純に、普段から対面や肉声のコミニュケーションを取れていると、仲間意識が全然違う。これはもう、仕事上の段取りといっても過言ではないだろう。


デジタル社会に移って、AIにとって変わられる職種云々の中、双方向に人間(しかもフィジカル的に運動量のある人たち)がいる繊維製造の世界で、やはり温度感のある人付き合いができるというのは案外これからの時代に必要なスキルかもしれないような気がしないでもない。


知らんけど。

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