20年後にいらない存在(工場編)

業界での成長話を一旦お休みして、先日ある方とお話して思ったことを綴りたいと思う。


僕の母親は縫製工場を営んでいる。

昔は総勢30人くらいの工場で、幼稚園が終わるとその工場で遊んでた。

社員旅行も行ってたくらいだから、そこそこ仕事も順調だったのだろう。

30年たった今は母親ともう1人の2人だけで仕事をしている。


縁があってこのファッション業界に身を置いて14年、上り調子だった時代を知らない僕を取り巻く大人たちは「ガチャ万」で一代を築いた人たちのジュニア世代がまだまだ多い。

丸編み生地製造工場の営業がアパレルに訪問したら1000反の仕事が取れた時代を嬉々として語る大人達。

この世代層が経営をしている工場はかなりある、というかほとんど。

今は業績が右肩下りで歯止めがかからないという方達も多い。

理由を聞くと「アパレルさん皆んな海外行っちゃったでしょ、値段を合わせられないから仕事回ってこないよ」というのと、「日本製でやってる人たちロット少ないし合わない」など、外的要因を指摘する声が多い。


当然、相手ありきの商売なので、お客さんの動向に業績が影響するのは当たり前。

でも出来ることあったんじゃないかな。

本当に技術が高く顧客さんに信頼を置かれていたら工賃が高くても仕事は来ている。

僕の実家だって、2人しかいないけど一軒のお客さんがずっと仕事をくれている。

業界全体がシュリンクしているのは今に始まったことじゃない。

だから工場が閉鎖しているのは当の工場自体の努力不足も理由にあると思う。


アパレルメーカーさんに頼まれて、たまに産地の工場巡りをした後の工場さんたち反応が如実に現れる。

誇りを持って商品を製造している工場さんはなんというか、どっしりしてる。

案内する僕も自信を持ってオススメできるし、信念がちゃんとあるから好きだ。

自分達が作る商品の顔をちゃんとわかっているし、それを求めてくれている顧客さんの顔も見えている。ブレてない。

アパレルメーカーさん達のタイム感を把握しているからシーズン的にも外れた提案をしない。

そして工場見学の後、きちんとサンプル対応してくれてしっかりと待つことができている。


逆に、器用貧乏になってしまっている工場さんはサンプルに独自性がなく、技術も機械頼りなことが多い。

固定の顧客さんも少ないし、商品を製造していく上で掴んでくるソースも一貫性がない。

あれもいいし、これもいい、あの人がこう言ったからこれがいい、みたいに内側からの安定感がないから顧客さんも安定してない。

とにかく自分達ができることをどんどん出してくる。時期とか関係ない。

こういう工場さんほど、工場見学に行った後に即成果を求めてくる。結果に対してせっかちである。


後者は間違いなく20年後になくなっている人たちだ。

これからアパレル製造業も本格的なオートメーションになっていくと思う。

機械化されたラインであればトラブルも少ないしコストも低く済む。

器用貧乏な仕事もスイッチ一つでできてしまう。

生き残っていく活路を見出すには、人の感覚に直接請求できるような仕事ができなければいけない。

すごく抽象的な言い方になってしまうけど、なんでこの産業で仕事をしているのか?ということを見つめ直すと答えは出てくるのかもしれない。


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