絶対保証。

僕ら製造側は対商業で『絶対』を求められるといつも困る。

品質、納期、単価、全てにおいて変動するものを取り扱っている以上、『必ず絶対に』を約束できることはない。


ただ、そこはビジネスである。ある程度お約束を果たさねば対価を得る『役務』を違反したことになるからペナルティは避けられないのだろう。そこでいわゆる『サバをよむ』のだ。もうこれは、何があってもここまでは保証できるよっていうラインを引く。これはどの場面でもボラの高い繊維製造業にとってはもう文化みたいなもんだ。

まず単価。これは発注数量によるし、最近の相場の荒れ具合から時価とも言える状態が多い、ゆえに先出し必須の単価に関してはミニマムロットを提示したところで蓋開けてみりゃ下回ることがほとんどの世界で、ロット割れチャージアップが認められることのないOEM業界ではそれ相当の『歩積み』をする必要が出てくる。いくら値切られてもこれ以上いったらなんかあったら即赤字みたいな利益率では走れない。ましてロス率や粗利率まで決めてブレイクダウンリスト提出要求してくるフ○○◯ンメーカーなんてそれでコストコントロールしてるつもりでただの下請けイジメだろうが。他社はいくらで〜なんて刺し方最低だね。

なので最安探ししたいなら直工場などで相見積もりをする労力をご自身でされるがよろしい。ネットで商品価格がオープンになってるわけでもなし、毎度弊社が最安保証なんてできっこない。ヤマダ電機か。いつもの脱線。


品質はもう、頑張って目を増やし、自分たちの手元を離れる頃には何もないように網を張るしかない。人海戦術チェックポイントを増やして管理、そしてその分単価に跳ね返る。それでも抜けることはある。なんというローテク。


納期なぁこれもう、いつだってタイトだし、依頼日が約束守られないのに、依頼書の約束は守れっていう仕事多すぎ。事故は起こるし、やるやる詐欺の現場だってないことはない。というのも、納期管理は地場の業者が勝つ法則がある。これを許す現場は良いお客様や良い仕事からも見放されやすいというリスクはあるけど、一番怖いのは近隣世間の風評なのだから仕方がない。奴らは自分の都合のため、よその仕事をラインからどかすパワープレイも辞さない。結果的に地場の業者は強い。だから頼りになると思われて仕事も集中する。するといつだってタイトな仕事が多い現場は、しんどいだろうけど現場が止まるよりはマシなのだろう。スポットの依頼なんてフッと吹き飛ばされて電話口では「今やっとるで」の詐欺に遭う。これのレッドラインを超えないように現場と手を取り合うにはもう必殺『行く』しかない。とにかく紳士協定で依頼を続けて、嘘つき体質がひどい場合には直接行って「嘘つくな!」と一喝、あいつやばい、チョロいと思って舐めてたら来ちゃうからちゃんとやんないとっていう恐怖支配も時には必要な場面が出てくる。

ほんとはそんなのない性善説に基づいた仕事がしたいもんだけれども。


と、色々脱線しながらも、結局これらをまとめて『絶対に』を要求されるわけで、巷のOEM業者たちはある程度言い切れない答えで濁しながらもなんとなく求められているところでは落ち着くという繰り返しをしているわけである。

でも、そもそも論で依頼者が問い合わせした際の条件で依頼するのが守られて初めて、製造側も約束を守ることができるのである。一日二日発注がズレたからってケツは合わせてよなんて、本当は口が裂けても言ってはいけないのだ。まして、自分たちが約束を絶対に守れないのなら、相手に絶対を求めるなんてのは筋が通らんという話である。それでも対応してくれている人たちがいてくれるなら、みんなにちゃんと敬意を払って大切にすべし。


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