流行り。
何度同じ轍を踏むのだろうか。お金の魔力とはそんなにすごいのか。
どうもインフルエンサー系服やりたい案件の金のにおいだけ嗅ぎつけて飛びついては事故ってる事例が巷のOEM業者様間で目につくようになってきた今日このごろ。
— ヤマモト ハルクニ (@HARUKUNI_Y) October 25, 2021
どこかが売れていると聞けばそこへ全力で営業をかけ、すでに完成しつつあるサプライチェーンに対して『安い早い』でひっくり返してはその結果『安かろう悪かろう』で返り討ちにあっていた中間業者の死屍累々を目にしてきたにもかかわらず、今でもそのやり方は健在。
MADE IN JAPAN、J∞QUALITY、オーガニックコットン、クラウドファンディング、例をあげればキリがない。最近の流行りはSDGsとインフルエンサー、そんなところだろうか。
付加価値ときいてハリボテの表層だけ掬い上げ、うんちくとものづくりの素晴らしさを語り「ウチはこんなことできまんねん」と風呂敷をひろげる。
やるのは構わない。でもやるならちゃんとやらんと。
どんな崇高な思いも、お金に目が眩んだなんちゃってにわか造りの体制では、メッキが剥がれるのは時間の問題。それでも瞬間最大風速に乗れたら良いという考え方は後を絶たない。
手法だけに目がいくと本質を忘れる。それが不要論を唱えられてしまう中間業者の実態なのではないか。
同業としては非常に辛い。まぁ僕らは僕らで粛々とやっていくだけなので火の粉は被らないけれど、側から見て同類と扱われるのは少し寂しい思いもある。
わかるよ、売れてないもんね。少しでも売り上げの上がる可能性があるならばどんどん突っ込んでいきたいチャレンジ精神は良いと思う。でもその結果、自分たちの雑さで失った信頼を取り戻すのはかなり難易度が高い。
繊維業界も、特に川上で嘆かれてきた「最近の子らはモノづくりをわかってない」は、何も今に始まったことではない。それを今まで一体何をしてきたのかと不思議に思ってしまう。
写真でサンプル依頼があったからなんだというのだ。それが非礼というのであれば、そもそも業界外の『服作りしたい人たち』と関わるのは危険だ。生地がわからんなんてもう普通のことだ。知らない前提が業界外の人たちと接する時の絶対条件だ。
本気で彼らの思いを形にしたいなら、まず自分たちがしっかりとした製造の知識をもった方がいい。しっかりとした知識や製造背景は財産だ。それがあればどんな曖昧な案件に対しても対応する自信が付くし、まず何より、無駄な時間とサンプルを積み上げてしまうことを避けられる。
物理的にそして人間的に難しい相手なら、諦めさせるのも仕事だ。
結局、お金の面でしかビジネスと捉えてない。
儲かりゃいい、そんなんじゃ知識も入らん。かろうじてうまくいった他社事例を取り上げて、自分たちがうまくいかないのは周囲のせいだと開き直る。そうやって繰り返されるんだろうな。知らんけど。
他所は他所なので、しっかりと自分たちのできることをやっていきたいと改めて思ったし、自戒も込めて慢心には気をつけていきたい。
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