繊維ドリーム。

斜陽産業と呼ばれて久しい当業界だが、周囲にはしっかりと繊維ドリームを体現している人たちがいる。

この人たちの結果からして、やり方、立ち振る舞い一つ、まだまだあるなと思わせてくれる。なにしろ前向きなアイデアがどんどん出てくる。こんなに面白い人たちがいるんだもの、捨てたもんじゃない。


国内市場だけ見れば、もちろん縮小傾向であることは間違いない。目減りしてく数字を裏付けるだけの理由はいくらでも思い当たる。個人ベースで言えば、惰性でやってりゃ確実に潰れていく環境だろう。

本当に失礼は承知の上なんだけど、このポストに上がったような人たちを嫌っている人たちが多いのも存じ上げている。

僕が知り合ったたくさんの繊維戦士の中で、いわゆる『アガリ』に近いところまでいった人たちの多くは、賛否両論あり、どちらかというとネガティブな評判が勝つ。それは実務的な面というよりは、若干モラル的な部分の欠如にある。


その若干のモラル欠如も、客観的に見れば、コト自体は超合理的行動でしかなく、その超合理的行動の巻き添え(言い方)を食らった人たちが、前向きに処理することができない場合、その当人に対してネガティブな印象を持つようになっているように、僕には見える。

結果的に、あまり好意的な付き合いができないまま、上り詰めていく人は妬みの対象になっている感じ。あくまで双方の人たちの話を聞きながら僕が客観的に感じているだけなので、被害にあったと感じている当事者からしたら、僕の感じ方もまた、嫌なヤツの味方に見えるのだろうけれども。


話は少し逸れるけど、僕が前職でこの業界に入隊した時、上司に言われた一言が今の礎になっているので紹介したい。

「お前な、相手が動きやすいようにしてやれよ」

言い方は乱暴だが、顧客ファーストの理念を彼なりに僕の知能指数に合わせて噛み砕いてくれただけだ。


顧客ファースト的なノリは、製造サイドどっぷりの方の中には拒絶反応もあることと思われる。僕自身、工業現場上がりのペーペーだった頃は、現場作業のフィジカル的なハードさとそれに見合わない営業サイドからのリクエストのすれ違いにクソがブッk 反発した時期もあった。こうしてやり場のない想いはそのまま楽曲制作にエネルギーとして流れたのであるが。


物理的に無理ではないにしても、人格を無視されたような無茶ブリは日常茶飯事である。ここに私情を挟んで感情的になり、Noだけを出し続け周囲に愚痴をこぼしている日々と、できる可能性に賭けて能動的に工夫して動いた日々で結果は全く違うものになった。

起業するときに年の近い先輩経営者たちによく言われた「(今のお前にとって)嫌なこともやらなあかん」は、業界経験者にあるまじき雑な依頼でも、もはやその相手方の知識底上げに期待することなく、彼らは彼らでやることをやっているだけで、ちゃんと対応することで商売は成立するという意味だ。


それを間近で背中で見せてくれる人たちがいることは、本当に恵まれた環境だと言える。ありがたい。

誤解のないように、彼らの若干のモラル欠如は、決して人格否定をして攻撃するようなものではない(まぁ無視されているように感じることはあるが)。案件に対して「できない」しか言わない人に向けて「できる」ようにするにはどうしたら良いのか問う際の詰め方がちょっと強引というか、ドライなだけだ。不器用なんだね。

彼らは目的をしっかり据えてやるべきことをやっているだけに過ぎない。それで好き嫌いができてしまうのはそれぞれの感覚なので僕がどうこう言うつもりはない。嫌なら嫌で、そのままで全く問題ないと思う。

ただその彼らが上に昇っていく姿を見て、なんであんな奴がと妬み嫉みを言うのは、ちょっともったいないなって思う。


最近は本当に、それこそ言い方は悪くて申し訳ないけど、そこに留まっている人たちの作業一つ取ってみても、可哀想なくらい誰もそういう希望の背中を見せている人が少ないんだなと痛感する。

人生は人それぞれなので、他に重きを置いているならどうってことないんだけど、少しでも業界で活躍したいと思うのであれば、愚痴ってる場合じゃないだろうに。

文句言ってても事態が好転することはないって教えてくれる人が近くにいるといいね。だって繊維ドリームあるもん。

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