継続は力なり。
先日、昔から顔馴染みの生地問屋の営業様と雑談をしている中で「最近昔から知ってる人の名前しか出てこなくなったよね」とおっしゃっていた。
これは川中~川上の話。
製造側にいる人たちには、各社若手も入ってきたり、ちょっと名前が出て独立したり、または異業種からの参入もあまりないけどそういう人たちもいたり。
お客様でもある程度大きいところは限られているので、椅子取りゲームよろしく、一つのブランド様の中でサプライヤーはどこがシェア率が高いかなんてのは、直接聞かなくてもなんとなく噂とか案件の流れ具合で分かったりするものなので「どこそこはどこぞの誰それがメインでやってて」みたいな感じで話になる。世間は狭い。悪いことはできない。
そこで聞く名前ってやつが、新勢力(若手や独立系)とか、商社筋の担当者パワーバランスだったりとかで、一時期は「そんなやつがいるんだすごいねー負けてらんないねー」みたいな、ゆる〜い感じで話題になったりしたりするのが、最近は昔の元サヤに戻ってきたよねみたいな、まぁそんな感じの、話である。
決済商流などのややこしい話は一旦忘れて、国内アパレル製造の図式は超雑にまとめるとこんな感じだと思ってる。
大分類『川中』は概ね生地製造よりもっと服作り寄り、OEM/ODM系の数が原材料供給側と企画アパレルメーカー側に対して相対的に超多い。
僕自身、このブログを通して中間業者介在を是々非々で述べさせてもらっているが、入口と出口に対して常に中間がオーバーフロー気味なので、慢性的歪みを正すかのような激しい競争状態にあり、中間業者の皆々様におかれましては、日々ライバルと差別化していく『何かしら』を模索され帰結するところが概ねコスト面で一旦は覇権を取るみたいなのを繰り返している感じである。
某社の誰それが安く作れるとなればその人のシェアが増え、そいつをひっくり返すことができるやつが現れればそいつが王座につくみたいな。で、消耗戦の結果、利益構造がおかしくなってバーン。品質低下や納期問題、それに伴う製造側との人間関係等々、何かしらビッグトラブルを抱えて消えてくみたいな。
消えていく人たちに共通しているのは、一気にガバッとやってきて前も後ろもガチャガチャにしていくところ。古の繊維戦士猛者であればバランスを弁えているので一気に掴んでキャパオーバーでパンクなんてこともないし、商売だからお互いに継続性がなければきちんと説明して引くところは引くし、無理しない。
業界外からアパレル参入してくるところからすると、一押し無理言って引かれてしまうと、その裏にある継続の可能性を潰すイメージができないので、腰抜け業者に見えるかもしれない。でも、歴も無く実績もよくわからんけどお金だけはありそうな雰囲気の人たちからのカマ掛け指値は、入金実績もまだ見ぬ案件故に薄利で地雷は踏めない。
開拓者精神に乏しいと侮るなかれ、昔流行ったインフルエンサーD2Cなるに華麗なヒットアンドアウェイかましている猛者もいる。情弱中間業者は二番煎じおろか三番煎じ出涸らしを流行りだと思って後追いし、見事に地雷と共に・・・割愛。
屍を超えていこう。明日は我が身。僕らは今日まで幸運にも生き残った。ここは繊維と現金の実弾が飛び交う戦場だ。事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだって誰か昔有名な人が言っていた。あれは本当だ。
勇敢に散っていった戦士たちを教訓に、今日も丁寧にお客様や仕入先様と向い合うのだ。
なんの話だっけ。
とりあえず、聞く名前が昔の馴染みメンツと言うことは、少なくとも一日の長がある。まさに継続は力なりだと感じずにはいられない。
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