HARUKUNI_YAMAMOTO/山本晴邦

記事一覧(100)

物理的トラブルは感情と切り離す。

トラブルは起こらない方が良いに決まってる。生産従事者なら誰もがそう願っている。きっとお客さんにものっぴきならない事情が有ったのだろう、もっと余裕を持って依頼してくれたならとも思うが、かなりタイトなスケジュールの案件が飛んできた。受けた時点で、起こりうる全ての責任は弊社にあるので、あーだこーだ言うつもりもない。ここからは全力で納品までひたすら段取りするだけだ。スタート段階で生産可能なラインで調整し原料投入、途中何度か進捗確認をしながら状況を確認。そして遂にここがデッドラインという日に連絡したら、「まだ糸」という、軽い事故が起きた。要因としては、同社は編工場で、僕の依頼を受けてから生産の段取りを自社工場ではなく、外注したのだ。まぁこれ自体は別に問題ではない。問題なのは、その外注が外注してた時に、目が届きにくくなってしまうことだ。実は工場が工場へ外注することは珍しいことじゃない。むしろ、工場にぶら下がってる下請け工場もある。自動車の部品工場とかだと『孫請け』とか言ったりするけど、例えば編工場の場合は規模の違いだけで基本的には同業者だ。で、今回はその元請け工場から、『振り屋』と呼ばれる小規模のお父ちゃんお母ちゃんだけでやってるような工場を取りまとめて振り回してる業者を仲介して下請け工場に仕事が飛んだ。

自分が必要だと思ってる事が実は誰も必要としてないかもしれない件。

ゼークトの組織論として認識されている(実はゼークトの論ではなく、クルト・ゲプハルト・アドルf...とにかくゼークト氏が言った言葉ではない説)有名な格言に、端折ると下記の内容になる言葉がある。軍人には四つのタイプがある 有能な怠け者は指揮官にせよ 有能な働き者は参謀に向いている 無能な怠け者は連絡将校か下級兵士が務まる  無能な働き者は銃殺するしかない 銃殺なんて大げさではないが、この無能な働き者は仕組悪もあり本人に悪気がない部分は慎重に認めた上で、業務遂行上、やはり厄介な場合が多い。無能な働き者とは?いらん仕事を自ら作ってはせっせと無駄な事に精を出し、「私は働いてます!」と主張してくる人だ。送りでいいのに「運賃がもったいない」とわざわざ交通費と時間かけて持ち込んだり、外注したら良いのに「外注費がもったいない」と必要以上に時間をかけてシロウトレベルの仕上がりでまとめてしまって結局手直しをしなければならなかったりetc...クオリティが低いのに、人的コストがかかっているから、結局は送ったり外注したりした方がコストが掛らずにクオリティも上げられるということ。そして作業中などの時間は返ってこないので、時間的コストもかかってしまう(上がりが悪くて結局外注しなければならなくなった時に納期が迫っていて特急料金になってしまうなど)事がある。この時に厄介である理由として、本人に悪意はなく、無駄だという自覚がないので、周囲から期待値以下の評価しか得られないところだ。(人材配置をした責任者等の問題はあるが、仕組悪は一旦棚上げしておく)で、このタイプの人が中間業者にいると、お客さんも仕入先も非常に難儀する。運動量はすごい(フィジカル的な)割に下請けへの職だしが遅れて工場が納期圧迫されたり、運動量がすごい(フィジカル的な)から手数料は多く貰わないと合わないとお客さんへコスト転嫁したり、運動量がすごい(フィジカル的な)から給料はもっともらえるはずなのに薄給だと自社の不満を外に漏らしたり、運動量がすごい(フィジカル的な)のに仕事が一向に片付かず残業しまくっていたり、運動量がすごい(フィジカル的に)のに成果物のクオリティが低いなどと、文書にするとけっこう辛い。一回目の取引などで気付いて離れる事ができればダメージは少なくて済むが、人が良い(性格は否定できない)ので人情に負けて発注したりしている可能性もあり、ビジネス的に割り切れずにズルズルと付き合っているところも散見する。散見するし、やはり不満として耳に入ってきてしまう。業界は狭いので。歴史的つながりを否定するつもりは全くないが、斜陽産業なので、そんなところにお金払ってる余裕あるなら、もっと良いところあるので探す努力をされた方が良い。切り替えるのは非常にエネルギーのかかる作業だが、キャッシュ残してなんぼなんで、無駄な時間とお金の浪費は避けたいところだ。外に迷惑がかかるから、社内でそういうタイプを見かけた時にどうするか?という問題もある。自覚してもらう他ないのだろうが、これを諭すのはかなり難しいと思った。経験上。まぁこれは仕組悪として棚上げした自分の力量不足としか言いようがないので、どなたかこういう時どうしたら良いなど経験値をお持ちの方がいらっしゃったら是非一度お話させていただきたい。僕個人も果たして無駄な事に時間を使っていないかなど、自戒を込めて省みたい。

簡単に値切らないで欲しい件。

原価云々発言で色々騒がしいけど、ブランドってそういう価値を提供できなかったら服に夢なんてないよね。とかね。まぁね。しかし工賃アップも叫ばれている中でこういう流れになると作る側っていよいよ苦しくなる。縫製工賃がわかりやすいから結構表面化してるけど、生地もね、結構あるの。色々と。生地単価を伝えると、すぐさま「高いねー」って言う人おるでしょ。ローカル市場の単価に慣れちゃってんのかなんか知らんけど、そんなん言うなら国内の生地メーカー呼ぶなっつー話でさ。「いやぁ、やっぱ素材を差別化していかないと付加価値がー」とか言って「国内生地を見せてくれ」って言うから行って見せたら「高い」ってなんなんだ。想像力が足りなすぎる。っつーかお前誰だ?ってなる。まず、生地メーカーさんの粗利率って、自分の商売でもあるからあんまり大声では言えないけど、恥ずかしながら、かなり低い。率で計算してない所がほとんど。だって率にすると原価が高ければそれなりにマージンも多くなるでしょ。そうするとほぼ完全に単価が合わないって言われる。例えば原価が¥350/mくらいのコストで作れたなら、率で利益とったって20%載せても¥87/mでしょ。安い分には買う側は文句言わないだろうけど、これ1,000m売っても¥87,000の粗利しか出ないって悲惨だと思う。その1,000mの受注を獲るために必死こいて提案して、フォローして時間かけて生産して粗利がそれだけって人件費出てないから。それに最近は国内の仕事でなかなか1,000mのオーダーが出る商売自体が少ない。逆に¥1,000/mのコストだったら率で20%載せたら¥1,250/mになるから粗利は¥250/mになるけど、そんなに乗っけると「高い」って言う。だからせいぜい¥150/mとかの粗利になったりする。この粗利計算に特に損益分岐点計算などのロジックはなくてほとんど肌感覚。これは相当ヤバい。まぁ突っ張れば良いんだけどね。生地屋なんてコンペさせられる悲しい職業だからやっぱ単価に対しては折れる人が多い。し、その性質を突いて値切ってくる人が多い。だから案件いっぱい抱えてないと商売としてキツい。だから売り上げが高い営業マンってめちゃくちゃかかりまくってるし、発注いっぱいかけなきゃいけないし、営業めっちゃいっぱいかけなきゃいけないし、こりゃ接触営業がセオリーになっちゃうマッチョな体育会系のノリが変わらないわけだ。で、オーダー量がある客先に集中したくなるから、少量しかできない客先が疎かになってそういう時ってだいたいトラブルからそのトラブったクレーム金額をのんで何やってるかわからん商売になったりする。かわいそう。あんまりいじめないであげてね。僕はすぐに「高いから安しろ」って言う人はお付き合いしていない。無理だもん。食えない。だから出入りの生地屋さんをたまには労ってあげてほしいなぁっていう独り言。

単価のしわ寄せ

外国人研修生の件が問題になってるけど、正直今に始まったことではないし、特にこの繊維業界構造を考えたら「じゃあどうする?」っていう問題なので少し単価のことについて書いてみようと思う。服(まぁ服以外でも)買う時、いいものを安く手に入れたいのは日本人の心理としては当然の流れで、これ自体を否定する気は全くない。そうりゃそうだよね、昔某大手牛丼屋でバイトしてたからわかるんだ。早くて安くて美味いのはめっちゃいいのよ。でも働いてる人の賃金まで上乗せした商品単価がその単価だった時、圧縮されるコストってなんだかわかる?人件費。じゃあ「その人件費を削らないように会社が仕組みをなんとかしろ!」って声が上がるでしょ?そうするとコスト転嫁する先は商品単価しかなくなる。もしくは原価下げるためにOGビーフから得体のしれない肉に変えるとか。そんなの公表したら世間から叩かれることこの上ないし、公表しなければしないで問題になる。クオリティを維持するには商品単価を上げるしかなくなる。これは普通に考えれば至極普通のことなんだけど、単価上げることに拒否反応する人は多い。じゃあどうすんの?繊維業界(だけじゃないけど)で工場労働者が得ている収入って工賃からしか出ないから、工賃を削るって事は人々の生活が圧迫されるって事なのはイメージできるかな?縫製工場だけじゃなくて、糸偏の世界は様々な工場から成り立ってる。紡績工場、染色工場、編み、織り工場、もしくはそれぞれにぶら下がっている更に細分化された工程だけを担っている工場。これらをまとめて生地にしている生地メーカー、その生地メーカーから生地問屋へ提案する中間メーカー。もうわかると思うけど、アパレルがそれぞれ細分化された工場と直貿で出来たら商品原価率に対して中間メーカーのマージンが削れるから上代は下げられる。でも中間メーカーがいないとまとめらんないから頼る。糸見ても服作れないからね。せめて生地にしてほしいとか、服になってないとわかんないとか言うし。それで中間メーカーが頑張って企画して服にして提案するでしょ、そうすると今度単価の詰めが入るの、「そんな値段じゃ売れない」って。もっと安くしろって言ってくる。わかるよ、その原価率設定だと、この下代だったらかなりの上代になっちゃうもんね、ここから売り場まではまだ何軒か人が絡むから商品コストはその分も含むわけだ。そうだよね。でも、これ大手SPAが言うから困る。あなたたちはFC店頼りでもなく、直営でその規模なのに原価率20%じゃないと値段合わないって、そもそも売れない前提でその構成比なら商品企画とか仕組みとか考え直さないとヤバい。ちなみに僕の知ってるメーカーさんは卸とFCでやってるけど原価率は案外高い。もちろん買取とか委託とかそれぞれ小売との取引形態によるから一概に言えないけど、ちゃんと収益化できてる。だからこのノリで大手SPA行くとまじビビる。その値切り根性に。その大手SPAにぶら下がってる業者はだいたいが商社とか。で、その商社が工場直でやるかと思いきや、ここから中間メーカーに投げられたりする。(商社にぶら下がってる中間メーカーもいるし、商社の営業が怠惰な場合は中間メーカーに直接アパレルと商談させて決済だけ商社と言うケースもある。これは与信管理やファイナンス問題もあるので一概に悪とは言えない。)で、この中間メーカーは縫製工場に直接依頼することもあれば、ここから縫製振り屋に投げたりする。縫製業は最長でもこのくらいルートが伸びる時がある。これで縫製工賃叩かれたら当然しわ寄せは工場に行く。最初のメーカーが1,000円で受けたら、振り屋に800円とかで投げる。振り屋は650円くらいでまとめられるように裁断、縫製、仕上げ屋にそれぞれ単価交渉する。その最終下職の工場で作業してるのが外国人研修生だったりする。生地も同じ流れで、大手SPAに直接生地売りする場合でも、中間メーカーから発注もらう場合でも、生地単価だって値切られる。生地問屋の営業は注文ほしいから「頑張ります!」って言って元気よく持ち帰ってくるでしょ。そんで生地メーカーや工場にそれぞれ単価交渉するの。さっきの縫製と同じで。特に手張りのプロパー品番とかは、その営業裁量を与えられる程度の粗利率確保のために、物量に物言わせてかなりの編み工賃や染め工賃の圧縮が入ってる。編み工場だって、工場持ってるところが自社で編むとは限らない。大手問屋にぶら下がってる生地メーカー(特に尾州)は更に抱えの家産ニッターへ工賃をぶっ叩く。最後に受ける家産ニッターは機械遊ばせるよりは稼働してた方がいいので信じられない単価で受託する。その信じられない単価で受けて実際に作業してるのが外国人研修生だったりする。縫製工場も編み工場も、繊維製造工業はこの経緯で仕事を受けて、最終的に作業する人に払う賃金はこの受託加工賃の中から出すしかない。工賃て設備費とかも含んだ上での人件費だから、値切ったら値切っただけ下請けの生活が圧迫されるのを理解してほしい。外国人研修生に対しての待遇がひどいとか、確かにそういう工場もあるけど、そもそも購買単価が消費者のイメージと乖離してるから値段を下げないと売れないという体質自体が、彼ら工場などの収益を担保できる構造じゃないよねって話。だから「外国人研修生が辛い」ってことを「雇ってる工場が単純に悪い」って言っちゃう人は、こういう背景も意識してからにした方がいいよってこと。そう考えると、僕らみたいな中間業者がいない方が、工賃も少しは引き上げられるし、商品上代も歩み寄れるし、いいことだらけだよね。今はまだ無理だろうけど。少しでもそのような良い環境にできるように、双方に向けて発信してることが、役に立てばいいなと願って日々動いてる今日この頃。

バランスが大事。

時々「どうやったらもっと売れるようになるか?」と相談をされることがある。正直な話、万人につけてどうにかなる薬があったらみんなそれを買うっていう話なので、僕に聞くこと自体が的外れな気もするけど、一応頼ってくれているのでお話を伺った上で僕なりの見解をお伝えさせていただいている。先にいうと、この手の質問をしてきている時点で「努力不足」な人が多い。これ言っちゃうと大体は「いや、やる事はちゃんとやってる!」と主張される方がほとんどなので、そっから先の話に進むのに一旦彼らの自己視点を外す作業から入らなければならない。お話を最後まできいて「ね!ちゃんとやってるから僕は間違ってないでしょ?」と、締めくくられるので、「まぁそうかもしれないんだけど、じゃあなんでうまくいかないと思う?」って聞くと「わからない」という反応がほとんどだ。まぁわかってたら相談しないよね。という事で、僕なりに客観的に見た見解を伝えていく。すると、指摘したことに対していちいち「いやそれは〇〇だから・・・」と言い訳じみたツッコミが入る。「うん、じゃあそれが原因なんじゃないかな?」というのが僕の答えになったりする。このやりとり不毛だけど本当にこう言う人多い。以前、それなりに看板の名が通った問屋で商売してた人が、その会社を離職して同業他社に移籍した時にお客さんが全員付いてくるかと思ってたら、全く付いてこなくて営業としてかなりマズイ状態になった時に救いを求められた。彼はなぜ自分が売り上げを伸ばせないどころか失っているのか根本に気づいていなかった。鞍替えしてまず先にぶつかるのは取り扱い商品の違いだったりするけど、同業だからそれもない。考えられるのは、離職元で引き継いだ後任が客先と波長が合い、商権が自分に付いてくるはずだったのに、後任が全部持って行っちゃったケース。この場合は個人間マンパワーの差がまずあって、そこを自分で認められないと次のステップに進めない。次に考えられるのは、転職先と離職元の看板力の差。この業界は人に商売が付いているとよく言われるが、同業転職先で同レベルのパフォーマンスができると思いがちだが、これはほとんど幻想。会社の看板はデカイ。取引先の規模によるが、仕入先の資本規模によっては仕入れ枠を取れないケースだってある。もともと取引口座がある会社というのは、そういう部分をクリアしているから商売できているので、転職先にその資質がないと客先が判断したらもちろん商売はできない。そういう下調べも甘い人が多い。もちろんどこでも活躍できる人もいる、これは本当にマンパワー。だけどこのマンパワーもレベルの差こそあれ、ほとんどは『天賦の才』ではなく『努力の結晶』だったりする。当然離職前に持ち出す商権についてはきちんと与信面や支払いサイトも熟知しているし、出てくる商売規模に対して耐えうるキャッシュフローが転職先にあるかなども心得ている。根回しも非常に周到である。嘆く人はこのマンパワーという曖昧な部分を結構すぐ嘆くけど、積み重ねてきた要素を聴きだすと大体は『マンパワーの差』だと思い込んでる部分は大抵本人の努力不足だ。相談にきた彼も『マンパワーの差だ』と嘆いてた。でも聞けば客先の決算月などの把握も曖昧だし、離職元の引き継ぎ後任がどういう提案を客先にしていて、自分が客先にとってどういうメリットを提供できるのか再考しておらず、従来のアタックでなんとかなると思っていた。強者の論理と言われることも多いけど、実績として付いてくる数字に理由があるとしたら、それは「あなたより多くやってる」部分が多いからだと思う。資料収集? 背景整備? 情報収集? 市場調査? 提案回数?どの要素に絞れる事はなく、全網羅でバランス取れた上でそのバランス値全体が高い人が『マンパワーがある人』なのだ。そのバランス値を底上げするために、マンパワーがあると思われている人たちの運動量(フィジカルだけではなく頭の中も)はエグい。売りが強い人は買いのバランスも良い。仕入先との関係性も厚く、ものづくりは一人でできないことも理解している。商売とってきたら下請けは誰でも言うことを聞くと思ったら大間違いだ。仕入先をきちんと儲からせるように意識して継続性を考えたりしてる。これは訓練でなんとかなると思うから、あとは各人に委ねるしかないのだが、無意味な努力をしないためにも、まずは基礎的な勉強することを勧めている。製造の勉強、業界の勉強、お金の流れの勉強、人がされて喜ぶ行動を考える勉強。など。その経過を見た上でも周りの愚痴とか羨ましいとかしか出てこない人はこの先ちょっと厳しいので、「分をわきまえろ」とソフトに言うしかないのが、今の僕の残念なところではある。冷静に考えれば、売り先の牌を絞って戦うのであれば、その土俵に上がるためのチャンスを作るために十分な準備が必要だ。戦う前に準備がいるのだ。愚痴ばっかの人は土俵に上がってないんだな。多分そういう人は頭硬いの。偏ってバランス崩してる。冷静にライバルに分があることを分析できないで感情論で人の愚痴ばっかになっちゃってる。そりゃ勝てんわ。一回自分見直してみよう、頑張ってね。

在庫のしわ寄せ。

今に始まったことではないが、衣料品の在庫を処分することが少し話題になったので、僕の思うところを少し書こうと思う。まぁ正直な話、生産都合(コストやらロットやら)で増産せざるをえない物もあるので、安易に「作らなきゃいいのに!」という意見には賛同しかねるし、いる分だけ作ってコスト高になったものを今更市場が受け入れてくれるとも思えないので、これらの意見を述べたところで何の解決もしない。そして実はその不要な服を作るために、生地製造界隈も相当な在庫に圧迫されている。目に見える洋服の在庫以外に、この国に眠る損失計上していない負の財産は腐るほどある。というか、もう腐ってるのもあるのに『生きた状態』になってるのもある。丸編み生地がどういう風に作られているかの工程などは普段ブログで取り上げているので、見てくれている人たちはある程度把握してくれていると思う。でも、アパレルメーカーさんで別注(企画してから必要分だけ製造する)生地をやったことない人たちからすると、普段見慣れている生地屋さんの姿は、色見本がそれなりに揃って、全て在庫があるようないわゆる「パッケージされた生地」を売りにくる人たちばかりだろう。そういう人たちは生地製造の各工場を直接取りまとめて生産をして自社で全て管理している場合もあるし、出入りの生地メーカーに生産と在庫管理やデリバリーを丸投げしている場合もある。簡単に図解するとこうだ↓(※カラーストックがある生地の商流)

学びたい大人。

日々勉強というのは本当で、気付きがあればなんでも勉強になるもの。最近は以前と全く違うカタチで多方面からの出会いがあるので、毎日がスペシャルだ。ひとつの業界でずっと過ごしてきたからか、新しく出会う人たちの視点というのはものすごく刺激的で、いかに自分が小さな世界で天狗になってたか改めて思い知らされる。同業内でも、僕が知らないだけでかなり奮闘されてる方々がたくさんいて、これはとても勇気付けられる。動き方がパターン化され過ぎてる人たちが多い中で、主体的に変化をしてる人たちに会うことで、いかに自分が狭い視野で物事を判断していたか思い知らされる。僕なんかが声高に「ファッション業界が好きだ!」って言うのは少し憚られるけど、長いことこの業界にいるってことは、たぶん嫌いじゃないんだろう。どっちかといえば、工業界隈ではかなり好きな部類になる。と、思う。やぁ、しかし世界は広い。みんなもっと視野を広げた方がいい。地方産業のつまらん既得権益を守るために、前向きに走りだそうとしてる人の足を掴んで引っ張ってる人たちを見てると、「誰得?」ってなる。そんなやつが多いから、ずっとこんな感じで停滞してんだろうにな。そのつまらんプライドのせいで、本来やるべき事を見失ってないか?誰の為の仕事なのか、もう一度考え直すといい。あいつが走って悔しかったら、負けないように走ればいい。そうやってみんなが速く走れるように競うことが、業界の成長に繋がってきたんだろうに、忘れたんだろうか。僕ははやく走りたいから、たくさん吸収して、たくさん試してみるよ。はやく走るための試行錯誤を、いろんなところで学んで、自ら挑戦してみるよ。学ぶって楽しいね。もっともっと色んなこと出来るようになりたいわ。おっさんだけど。